第502号 大連立について

2011年8月20日 (土) ─

 民主党代表選挙の話題が連日ニュースで取り上げられています。誰が次のリーダーになるか、は重要ですが、日本という国をどういう考えの下に運営してゆくのか、という「政策」の部分の方がむしろ重要です。 

 特に国民の関心が高いのは①原発問題・エネルギー②増税③大連立、この3点だと思います。①と②に関しては以前取り上げたので、今回は大連立に絞って私の考えをお伝えします。

◆そもそも大連立とは? 
 「大連立」という構想そのものは決して新しいものではなく、古くは1931年の若槻内閣で検討されるなど、わが国において何度も議論され、あるいは模索された歴史があります。 
最近では07年11月、当時の小沢代表と福田総理との党首会談を受けて民主党役員会において大連立の是非が話し合われ、退けられました。当時の私も「野党民主党として二大政党制の実現と政権交代を目指してきた途上において、連立はありえない」と語っています。

 そして今日、復興や三次補正予算審議、来年の通常国会の運営を考えて、大連立構想が再び浮上することとなりました。 

 07年と大きく違う点が1つあります。それは私たちは政権与党であるということです。

 連立とは、2つ以上の政党が大臣を出して内閣を構成し、政権を協力して運営することで、第一党と第二党が連合政権を作ることが大連立です。こうした例としては、現在のドイツの大連立政権が挙げられます。 

 しかし、ドイツの場合は下院(日本の衆議院にあたる)において第一党が過半数を持っていないという事情があります。すなわち、第一党、第二党ともに政権を任されるのに十分な過半数を占めることができないために、国民の総意の現れとしての連合政権の形態をとった、というのがその実情です。 

◆ねじれと大連立 
 日本では、民主党が09年の総選挙にて衆議院で300を超える議席を獲得したものの、10年の参院選で大きな敗北を喫しました。このねじれ状態による運営の困難さから、大連立で主要な政策課題の実現可能性を高めたいという趣旨は理解できますが、議会制民主主義の本質を考えると、大連立は第一院(衆議院)で過半数を占める政党がない、という限定的な状況の下でのみ考えられるべきで、国会における論議を通じて、与党が野党の声に耳を傾けながら、必要に応じて政府案を柔軟に修正してゆくのが本来の姿ではないでしょうか?

 年金、医療、介護なども長期的に影響を及ぼすからこそ、国会で超党派のオープンな議論を重ね、最終的には総選挙で各党がマニフェストを掲げて国民に信を問う形で決着をつけるべき問題ではないかと考えます。 

 ねじれ問題は、衆参の機能の分担について議論を深めると共に、両院協議会の運用の見直しや党首討論の開催頻度を増やす、重要な政策課題を腰をすえて審議する場を確保する、などの取り組みを通じ、野党からの修正協議に積極的に臨むよう努めなければなりません。

 大連立を唱える前に私たちがすべきなのは、自民党政権とは異なる、民主党としての理念に基づいた国家経営・国家のマネジメントを政治のリーダーシップを発揮しながら着実に実践してゆくことであり、それこそが政権交代の意義を国民に示すことにもなると信じます。 (了)

 

スタッフ日記「奮闘の夏、成長の夏」
 こんにちは!奈良事務所インターン生のおよねです。

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 また事務所スタッフの方々もとても個性豊かで、事務所にはいつも笑い声が絶えず、和気あいあいとした雰囲気の中で活動しています。

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