第527号 バックエンド問題一次提言

2012年2月11日 (土) ─

 昨年10月27日に発足以来、核燃サイクル・再処理の是非について検討を重ねてきた「原子力バックエンド問題勉強会」は一次提言を取りまとめ、官邸への政策提言の申し入れを行いました。2月7日には役員以下4名で藤村官房長官に提言書を直接お渡しし、政策検討をお願いしました。政府では震災で中断していた原子力政策大綱の見直しを8月30日に再開し、春までに中間とりまとめを行うとしています。この政府の取りまとめの前に議員有志が政策提言を行い、大綱見直しに立法府の一員としての役割を果たそうとするものです。

◆提言骨子  
 勉強会は14回にわたるヒアリング、議員間討議、さらには茨城、青森、福井と3回の現地視察を通じて、歴史的な事実関係を整理し、論点の抽出と提言案の討議を集中的に行ってきました。提言骨子は①負担と受益の公平性②公的関与の強化③科学的知見の蓄積④情報公開の徹底という4原則とそれに基づく前向きな方針としての「モラトリアム(猶予)」の「4+1」からなっており、結論の最大のポイントは、今日まで実現不可能なフィクションを実現できると無理に位置づけることで成立させてきた「核燃サイクル・再処理」は実質破綻していると明言していることです。 

 このことを大前提にして、受益者と負担者の公平性確保が重要であり、受益者・需要者、つまり電力を使う側の責任による使用済核燃料処理を提言しました。実現しない再処理を、「できる」と言い続けて来た無責任の連鎖を断ち切るには、私達自らが負担を背負う覚悟が求められます。 

 原発周辺の住民は、使用済核燃料保管のリスクを負っていますが、遠く離れた住民は電力供給の受益を受けているだけに過ぎません。また、現代に生きる世代は原子力による電力供給の受益を得ているものの、将来世代に高レベル放射性廃棄物の処理の負担を背負わせることになります。このような受益と負担の公平性が確保されない状況について、改めて電力需要者であるすべての国民が自らのこととして考えるべきとして、原発のない沖縄を除く各都道府県に「責任保管場所」を設置する案を例示しています。 

 また、科学的知見の蓄積のために、既存の研究機関を改組し、原子力バックエンド研究・対応機構の設立を示しました。単に中止・廃止を訴えるだけではなく、原発事故被災国として積極的に科学的知見を結集させ、廃炉を含む処理技術を高めることも提言の1つです。

◆立法措置を目指して
 政府の原子力大綱見直しが、単にアリバイ作りに近いものになる可能性も考慮し、今後私達は与野党連携しての議員立法化も視野に入れて進めたいと考えています。エネルギー政策の根幹に関わり、かつ人類存亡の危機にまで及ぶリスクを秘める原子力とどう向き合うかが問われます。立法府の一員として、政府に対して信念に基づいて発信してゆくことこそが本当の役割です。もちろん与党議員としての立場も踏まえながら、国民の代表としての責任をどう果たすのかが求められていると思っています。(了)

※原子力バックエンド問題勉強会のホームページから今回の一次提言をご覧頂けます。2012年2月7日 原子力バックエンド勉強会第一次提言

 

スタッフ日記「自分が一日怠れば、日本が一日遅れる」
 私は2月3日からまぶちすみお奈良事務所でインターンさせてもらっている大学生です。 

 私の好きな言葉は、「自分が一日怠れば、日本が一日遅れる」です。これは、日露戦争中の日本海海戦で綿密な計算と作戦で日本を勝利に導いた作戦参謀、最近ではNHKのドラマ「坂の上の雲」の中で本木雅弘さんが演じていた秋山真之海軍中将の言葉であります。私は読書をしている中で偶然この言葉に出会いました。 

 私は日々大学生活を送っていますが、正直ダラダラと目的もなく過ごす事が多くありました。しかし、この言葉に出会ってから自分も日本を支える一人として何かしようという気になり、このまま怠けていてはいけないと強く思うようになりました。私はもっと多くの人にこの言葉を知ってほしいと思いここに書くことにしました。 

 日本の国民一人ひとりが日本を支えていることを意識し直し、何か明日に向かって行動することで日本が良くなっていくのではないかと私は考えています。 

 私は、もっと経済や政治について勉強していきたいです。私が勉強しても日本の何が変わるのかは正直よくわかりません。しかし、私は日本をより良く変えてみせるという意気込みで頑張っていきたいです。 

 好きな言葉とは自分の芯をつくることと同じだと思います。何かあったら好きな言葉を思い出すことにより、芯からブレることなく生きていける気がしています。みなさんの好きな言葉は何でしょうか? (イカイカ)

第527号 バックエンド問題一次提言