第558号 民主党代表選
民主党代表選挙が告示されました。今回は任期満了に伴う改選のため、党員・サポーター票も含めての選挙です。
私は昨年の代表選に挑戦した者として、次なる機会に向けての準備を続けてきました。無役ではありましたが、原発、エネルギー問題、金融・経済問題、成長戦略、領海・領土問題など一国を担う覚悟を持って取り組んできたところでもあります。
◆大義はあるのか
しかし、今回の代表選挙は新たな総理を選ぶ選挙だった昨年とは構造が大きく違い、現職の総理の信任を問う選挙です。昨年民主的な手続きによって選ばれた総理に代わる候補者が訴える争点とは何なのか?ここに自らが大義を見いだせなければ出馬の意味はないと思っていました。
是非はともかく、野田総理が政治生命をかけて取り組んだ消費増税は既に三党合意の下で成立しています。外交・エネルギー問題はまさに議論や対応の最中です。そう考えると問われるべきは、与党分裂を招いた党内マネジメントの稚拙さではないかと思いますが、それは国民とは無関係で、大義とはなりません。私の中での躊躇・逡巡は一向に消えませんでした。
そんな中、細野氏の出馬の可能性が浮上しました。私よりも党員・サポーター並びに議員の支持の広がりを見せるきざしがあり、福島はじめ復興対応についての総理の取り組みへの異論を持つ細野氏ならば大義をもって一本化された対立候補となりうると期待しました。
今の民主党には、謙虚な反省の気持ちに立つこと、その上で、今後の日本が立ち向かうべき課題は何か、それに党再生に向けて何が必要か、論戦や国民との対話を通じて徹底的に論じつくすことが求められます。私はこれまでの野田政権の光と影を党員・有権者の皆さんにはっきりと示し、総理を引き続き信任すべきかどうかを真剣に問いかけることができるよう、対立候補は一本化されるのが望ましいと考えました。しかし細野氏が不出馬を表明し、その期待は消えました。
私自身がその選択肢になることも考えましたが、一本化が不可能な以上、逆にそれを阻害するべきではないと考え、不出馬を決めました。
◆私自身の選択
結果、候補者は野田、赤松、原口、鹿野の4氏となりました。こうした状態での論戦は、マスコミで報じられているように低調で、どの候補も野田総理との明確な争点を示せない状況です。
しかし、これはまさに与党の代表選挙のあり方そのものに関わることなのかもしれません。「首相擁立政党は本来、在任中の代表選を控えるよう、党の規約を整備するべき」そして「選挙目当ての党首交代を慎むべき」だという政治学者の意見もあるように、総理が欠けた場合ではない選挙の難しさを実感するものであります。
私自身も自らの投票行動を決めなければなりません。残念ながら、一本化して争点を明確化できる候補がいないため、対立3候補のいずれにも票を投じることはできません。一方、白票(棄権)はあり得ません。こうした中、自らが不戦敗だったわけですから、熟慮の結果、消去法ではありますが、野田候補に一票を投じるつもりです。(了)
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スタッフ日記「英国の電車事情」
つい先日、オリンピック後に開催されたパラリンピックが閉幕しました。王子の結婚式、女王の統治60年と、昨年からお祭りが続くイギリスの映像をテレビでご覧になった方も多かったのではないでしょうか。私はつい先日までロンドンにいたので、あれだけの観光客はどうやって日々移動していたのだろうと疑問に思っていました。
というのも、ロンドンの地下鉄は時間がまったく読めないのです。東京の1日の地下鉄利用者は560万人と、ほぼロンドンの倍なので、ラッシュ時の混み具合は東京が勝っています。
にもかかわらずイギリスでは他人とくっつくことを異常に嫌がるのか、混んでいるとみんな簡単にあきらめて次の電車を待ちます。また、今ある11本の路線のうち、9本が100年以上前に開業し、世界最古の公共鉄道と言えば聞こえは良いのですが、現代の人の多さに対応しきれていないのが実情です。駅構内にすら入れず、駅に入るために地上で人が溢れかえる光景は圧巻です。
このあきらめる習性に加え、地上まで続く行列、また予告なしに電車が止まったり、修理したりというのも日常茶飯事(日本だったら大ブーイング!)なので、目的地に着くのが一体いつになるのかわからず、日本の素晴らしく発展した、時間に正確な鉄道システムが恋しくてたまりませんでした。
インターンを始めたばかりで通勤ラッシュにもまれ、へとへと気味ですが、時間通りに目的地まで連れていってくれる東京の地下鉄に感謝しながら元気に国会事務所に通っています。(キャサリン)