韓国の情報通信政策

2006年9月29日 (金) ─

 韓国のナムグン・ソク元情報通信部長官との懇談。韓国の情報通信事情を聞く。

 ナムグン元長官は、日本の情報通信インフラをはじめとする整備の立ち遅れを指摘される。そして、その整備の課題は韓国で言えば、通信とコンテンツとディスプレイだと語る。

 通信は、やがて光の速さに収斂されるであろう。そしてモバイルが主流になりつつある韓国では、PCやTVのように家庭やオフィスに据え置かれているものと、携帯電話のような移動端末の役割がより一層クロスオーバーしていく。「出力表示」の機器が今後、どのような役割を担うか?、既成概念を拭い去らねばならない。

 コンテンツも、新たなものと既にあるものが融合しながらも新たなルールに基づくコンテンツにどんどん置き換わっていく過渡期を迎えるであろう。と、語られる。

 ナムグン長官には、韓国で強力に推進されているイーラーニングの話を興味深く伺う。失敗例も含めて、いまだ混沌とした状況ではあるが、インターネット人口を国民の7割にまで高めた自負が覗く。

 先日の大連ソフトウェアパークのBPOといい、わが国の立ち遅れは目を覆う有様に見える。

 この一年間、政府のIT調達に関わる要職の方々が、駆け込み寺のようにわが事務所に来られては、相も変わらずのなぁなぁぶりを嘆き、窮状を訴えられてきた。いずれ、国会で取上げるべく準備をしていたつもりだが、国の取り組みの物足りなさは、もはや問題となるレベルにあるかもしれない。

 懇談に参加した同僚議員から、課題はインフラと著作権と通信と放送の業際あるいは今後の融合についてではないか?、そのことに関しての政府の関わり方はかくあるべきか?、との質問が為されたが、十分なお答えをいただけなかった。これから、われわれとしても解を求め模索していかねばならないであろう。

 しかし、ナムグン元長官からは、「日本と韓国の底力の差はまだまだ10年、20年ある。」と日本の力を評価されながら、「すでに韓国が勝っている部分がある。」との現実を語られると、もっと強く認識しなければならないと改めて思う。

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