附則18条の根底にあるもの
消費増税の議論は、ほぼ附則の18条に絞られてきたと思っている。27、28条はそれぞれ、要望に沿って修正する、規定を削除するなどの対処が、当局のもともとのノリシロとして見え隠れする。
従って、ポイントは18条。そして、このことは昨年末の「素案」決定の時から指摘し続けてきたことでもある。
18条については、目標数値の設定の是非についてだが、そのことはまさに今、この段階でも攻防中なのでここではあまり書かないが、そもそも、何ゆえに当局がそれほどまでに数値目標の設定を拒むのか、ということが気になる。
もちろん、先週のいわゆる一体改革会議にて、数値目標を否定する議員の意見は、「政府の政策判断を縛るもの」を設定すべきではない、という趣旨に基づくものが多かった。
もちろん、その他の理由もあったのだが僕は逆に今まで政府が説明してきた、「経済状況の好転」とはならない場合の想定をどう考えているかということが気にかかってきた。
政府が度々説明してきたのは、「リーマンショック並みの危機には考えざるを得ない」ということ。
これは、何を意味するのか。実はリーマンショック並みの危機を数値目標化すると、マイナス3%成長までをも許容することになる。これでは、さすがに数字としては出せないだろう。
つまり、当局はやはり何が何でも増税を行うというある意味「強い意志」を持っていると言える。
しかし、本来は議論の前提として、
・ゼロ成長の場合
・景気後退期の場合
・失業率が上昇している場合
等、どのような時に引上げを見送るのか、ということを現時点で法案提出者が考え方を明らかにすることが必要ではないか。
残念ながら、与党内議論では政府による法案提出の強い意志を忖度し、むしろ時間内で議論を収めようという方向にベクトルが向きがちであるが、果たして本当にこれでいいのか、と常に議員自らが自身に問うていかなければならない。
もちろん、自らに言い聞かせているのである。