耐震強度偽装事件の捜査終結

2006年6月8日 (木) ─

 新聞各紙で、検察による一連の捜査の終結が報道された。

 これにて、いわゆる「総研」の詐欺容疑の立件が断念されたとのこと。各方面から、コメントならびに問い合わせが殺到する。

 私としては、当局の懸命の捜査によって「事件」として立件されたことならびにかかる関係者の聴取も含めてご努力されたことに敬意を表するものでしかない。

 犯罪を構成する要件が満たされているか否かは捜査機関でしか判断できないし、こうした警察、検察ならびに司法当局の判断を立法府にいるものとしてとやかく言う立場にはないと思っている。真摯に受け止めたい。

 かねてより、犯人探しを国会で行おうと訴えてきたわけではない。問題の本質をあぶりだすこと、そしてそれを制度構築および行政措置の監視に役立てることがわれわれの本来の仕事である、と強く主張してきた。

 そして、関係する建築基準法の改正議論では「制度の本質的な欠陥」という指摘に対して北側大臣は、率直にそれを認め、改めていきたい、と答弁いただいた。また、今回のようにコンサルタントと称して技術にまで踏み込むような実態把握も含めどのような対応を考えているかと問いただしたところ、コンストラクションマネジメントを含む建設生産システムについて検討会を立ち上げるとの答弁をいただいた。

 今後において、平成設計のように「事業監理」の名の下に従属関係が強いられることのない、健全な業界育成に資する議論を行っていきたいと思う。

 そして、繰り返しになるが、不幸にも被害にあわれた方々の救済をどうしていくかが、私たちのこれから残された仕事なのである。

耐震強度偽装事件の捜査終結