第782号 問題先送りの予算成立
2017年度予算が成立しました。今回の予算では、一般会計の歳出総額が97兆4547億円と、5年連続で過去最高を更新しました。
◆財政「見通し」の甘さ
一方、個人消費の落ち込みに歯止めがかからず、税収は政府の見通しを下回っています。 今年1月の2016年度第3次補正予算で、政府は税収を当初見積もりから約1.7兆円も減額し、その埋め合わせのため、赤字国債を発行しました。
こうした状態にもかかわらず、政府は2017年度の税収を今年度の補正予算より1.9兆円も増加するという楽観的な見通しを立てています。
また、公共事業費が5年連続で増加し、6兆円となるなど、真に必要な予算が十分に精査されているとはいえず、歳入の面からも歳出の面からも大きな問題をはらんでいます。
◆場当たり的な社会保障対策
今回の予算では年金、医療などの社会保障費が全体の約3分の1を占めています。
社会保障費が増え続ける一方で、国民は将来への不安から消費を控え、収入を貯蓄に回す傾向を強めています。
この不安を解消し、将来的に持続可能な社会保障制度を整えるためには、抜本的な構造改革が不可欠ですが、今のところ政府にその姿勢は見られません。
確かに、社会保障改革には、痛みを伴う場合もあり、支持率を考えると取り上げづらい課題です。しかし、このままでは、社会保障費に圧迫され、予算編成はいずれ限界を迎えてしまいます。
政府には、場当たり的な社会保障対策に終始するのではなく、逃げずに社会保障改革に切り込んでゆくよう強く求めます。
◆子育て支援に重点的配分を
予算編成には、「攻め」と「守り」のメリハリが重要です。 「攻め」の部分では、特に、喫緊の課題である子どもへの支援に力を入れるべきだと考えています。
総理は、2017年度末までに待機児童をゼロにするというこれまでの目標を事実上断念しました。
今回、待機児童対策として、保育士の給与を6000円ほど引き上げる待遇改善策を掲げ、予算を確保しましたが、もともとの保育士の賃金が、平均よりも月額10万円以上低いとされているため、十分な対策とはいえません。
また、高校や大学への就学支援として返済義務のない「給付型奨学金」を創設し、2017年度から先行実施するとしていますが、対象は約2800人、予算額はわずか70億円にとどまっています。
私たち民進党は、政権時代に高校無償化を実施し、昨年も政府に先がけて保育士等の待遇改善法案を提出するなど、子育て支援に率先して取り組んで来ました。
予算は成立しましたが、今後も、就学前から大学まで、子どもの成長を通じた「教育の無償化」の推進など、「人への投資」を重視した政策を提案して行きます。
後半国会では、森友問題や文科省の天下り問題など、これまで十分な説明が得られていない問題や、「共謀罪」法案、天皇陛下の生前退位に関する法案など、重要な審議が控えています。
「生活者目線」を忘れず、これからも政府を厳しくただして参ります。(了)
スタッフ日記「タイルと安全運転」
「免許を取るならお早めに!」。3月12日からの法改正に伴い、普通免許で運転できる車種が減るというお知らせに私は急いで自動車学校の入学を申込みに行きました。
あわてて駆け込んだ合宿先で私がハマったことは、なんと「床のタイル磨き」でした。
合宿所では朝7時から校内を清掃するボランティア活動があります。校内の掃き掃除など全体の掃除が終わった後、残りの時間で床のタイル磨きに費やしました。
イスでひきずられてできたキズを一カ所ずつ消していく作業は、もぐら叩きでもぐらを1匹ずつ潰していくような感覚で面白くなり、キズだらけになったタイルがピカピカになっていく姿を見て「もう一枚、もう一枚」とついついタイルを磨きたくなりました。
だんだん校内の床がきれいになっていくのをみると朝から気持ち良く、教習にも集中して挑めました。
一緒に合宿に参加した友達もこのタイル磨きにハマってしまい、暇さえあれば、ボランティアに参加して、やすりを片手に夢中になって挑みました。すっかりコツをつかんだ2回目には素早く、かつ、きれいにタイルを磨く術を独自に発見しました。
結局、自動車学校から家に持ち帰ったものは、卒業証明書とタイル磨き術だけです。でも、タイル一カ所一カ所にキズを見つけて磨くことは、車を運転するうえでも一カ所一カ所丁寧に安全確認する、こうした安全運転につながるのではないのかと私は思います。
これから教習所で得たタイル磨き術を活かして、運転技術も向上させていきたいです。(お茶部)