第751号 陛下のおことば

2016年8月20日 (土) ─

 8日、天皇陛下が象徴としてのお務めについておことばを述べられました。

◆陛下の問いかけに向き合う
 陛下は、「国民を思い、国民のために祈る」という天皇としての大切な務めを、国民への「深い信頼と敬愛」をもってなし得たことの喜びを語られました。これこそ、まさに象徴天皇のあり方の真髄だと感じます。

 即位以来、常に象徴天皇としてのあり方を模索し、実践されてきた陛下のおことばは、深く重いものです。だからこそ、「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます」という問いかけには、国民一人ひとりが政治信条の別なく向き合わなくてはなりません。

◆憲法含めた責任ある議論を
 その中で、もし天皇の生前退位を検討するのであれば、様々な角度からの議論が必要となります。

 例えば、憲法第2条は皇位は世襲であって、皇室典範の定めるところにより継承すると規定しており、生前退位は皇室典範改正で対処可能に見えますが、一方で、第5条では摂政を置いて天皇の国事行為を代行させることができるとされており、憲法上の整合性をどう考えるかという議論があります。

 陛下のおことばでは、摂政を置く場合でも、天皇が生涯天皇であり続けることに変わりはないとされ、代行の限界をご指摘されています。

 こうしたお気持ちを踏まえ、憲法との整合性や立法上の諸課題に、制度を預かる政府及び国会は知恵を絞り、真剣に取り組まなければなりません。

◆歴史的歩みを踏まえて
 一方で、神武天皇建国の歴史を持つ「自然国家」としてのわが国が、戦後の憲法で天皇制を規定することの限界が露呈しているとも言えます。その上で、何よりも陛下が念じられるように、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくこと」を第一に考えるべきです。

 時代背景は異なりますが、上皇による院政が行われていた時代には、天皇の生前退位が時の権力者に利用されることがありました。こうしたことが決して起らないよう、生前退位を検討する場合でも、例えばご高齢、ご病気など退位要件を明確にし、譲位への恣意的な干渉を防止することは必要不可欠です。

 また、生前退位の議論から、象徴天皇のあり方以外のことも含めて憲法改正につなげようとする考えには違和感を覚えます。

 私は将来的な憲法改正を否定しませんが、成文憲法の改正を議論する以前に、わが国が長い歴史の中で培ってきた価値観、言うなれば「不文の憲法規範」とは何かに向き合うことこそが重要であると考えます。重要なのは護憲か改憲かを超えた実質的な骨太の議論です。生前退位と憲法の議論も、「形式ではなく実質」の議論とする必要があります。

 陛下のおことばの重さと、可能であれば引き続き陛下に象徴であって欲しいとの国民の思いを受け止めつつ、責任を持って慎重かつ真摯に議論を積み重ねて参ります。(了)

 

スタッフ日記「今年の夏期休暇に」
 夏期休暇は、主人と私の両方の実家に帰り、ゆっくり過ごしました。

 今年はオリンピックが開催中だったので、つい夜更かしして応援してしまいました。

 リオデジャネイロとは時差が12時間あるため、どうしても深夜から早朝にかけての放送が多いのですが、連日日本選手の方々の活躍に、一喜一憂していました。選手の方々の戦っている姿は皆美しく、たとえ負けてしまっても清々しい気持ちになります。

 今大会のメダル数は、8月16日時点で29個(金7個、銀4個、銅18個)。あと3分の1ほどの日程を残した状態で、前回のロンドンオリンピックでの過去最多の38個(金7個、銀14個、銅17個)に迫る勢いです。これから行われる競技にも期待が膨らみます。

 4年に1度のオリンピックに挑む選手の姿は、代議士の姿と重なります。

 どんなことがあってもぶれない強い想いとコツコツ努力を続けていく力。負けても勝っても大会が終わった翌日から、次の大会にむけて自分との戦いの日々がはじまります。

 勝利に向かって分析し、日々の活動を重ねていく。そして本番では自分が重ねてきた活動の真価が問われるのです。本番でどれだけの力が発揮できるかは、その日々をどのようにすごしてきたかがとても重要です。

 時にはつらくても、疲れていても地道にコツコツ続けていく姿勢こそが勝利につながるのだと思います。

 まだ当分先になると思いますが、代議士には全力で戦い、背負い投げで一本!?金メダルをとってほしいなと思っています。(まーちゃん)

第751号 陛下のおことば