第723号 バラ撒きの補正予算

2016年1月23日 (土) ─

 20日、政府が提出した2015年度補正予算(総額3兆3213億円)が衆院に続いて参院でも可決し、成立しました。

◆バラ撒き色の強い補正予算
 政府はこの補正予算を、「1億総活躍社会」の実現に向けた緊急施策と説明しています。しかし、その中身を見てみると、長期的な視野に欠けるだけではなく、今夏の参院選を見据えたバラ撒き色が強いものであることがわかります。

 その筆頭が、高齢者に1回限り3万円を支給する一時給付金(予算額3624億円)です。安倍総理は、「高齢者は消費が活発」という理由で、給付金の経済効果を主張しますが、消費意欲は若年層も同じように高いので、そこに説得力はありません。

 むしろ、給付金による支援を必要としているのは、子育てや住宅費用に毎月一定の支出をせざるを得ない層です。支援対象をきめ細かく選定するのではなく、高齢者だけに一律に給付金を支給するのは、選挙で投票率が高い高齢者層への「バラ撒き」と捉えられても仕方がありません。

 TPP対策費(3403億円)にも問題があります。

 アメリカでは、次期大統領選挙の有力候補者が発効に反対を表明するなど、TPPをめぐる情勢は依然として不透明です。また、日本でも議論が始まったばかりで、国会の承認を得ていません。こうした中で発効を前提とした予算措置を行うのは、国会軽視に他なりません。

 まずは、我が国の農業のあり方について、国会で徹底的な審議を行い、その上で長期的な視野に立った予算計上を図るのが先決のはずです。

 しかし、今回の補正予算で重点的に配分されているのは、農業生産性向上のための土地改良事業などです。これは、公共事業を中心とした、従来からの予算編成の枠を超えるものではなく、とりあえず農業従事者の批判を和らげるために支援を行うという意図が見て取れます。

 介護問題も同様です。安倍総理は「介護離職ゼロ」を実現するため、補正予算で保育・介護施設整備費など旧来型のハコモノの予算を1542億円も基金に積み増しました。

 しかし、介護離職が後を絶たない原因は、低賃金やハードワークといった、現場での労働環境の悪さです。したがって、行うべきなのは、介護従事者の処遇改善であって、ハコモノの整備ではありません。

◆未来を見据えた本予算を
 このように、今回の補正予算は、昔から繰り返されてきた、一時金の給付と公共事業を柱とする場当たり的なもので、財政的に問題があるだけではなく、長期的な未来を見据えた場合にも適当とは言えません。

 民主党は、こうしたバラ撒き支出部分8008億円を削減し、その分国債発行を減らすよう提案してきました。

 残念ながら補正予算は政府案のとおりに成立してしまいましたが、来年度本予算の審議はこれから始まります。

 私は、成長で得られた果実の再分配の徹底、働きやすい労働環境の整備、未来を担う人材の育成など、長期的な視野に立った予算の使い道を提案し、持続可能な社会を構築するための議論を行っていきたいと考えています。(了)

 

スタッフ日記「生味噌すり込む」
 今年の冬は乾燥が厳しいのか、いつもならできないはずのあかぎれに悩まされています。薬を塗ってはいるものの次から次に現れるあかぎれは、真っ赤な口をぱっくり開けて、水仕事や入浴などのたびに私を悶絶させています。

 あかぎれで思い出すのは「♪かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた」の歌いだしでおなじみの「かあさんの歌」です。

 この歌の2番の出だしはこうです。「♪かあさんのあかぎれ痛い 生味噌すり込む~」。

 味噌、といえば塩分たっぷりです。そんなものをなぜ傷口に塗りこむのだろう?痛くないものだろうか?と小学校で歌わされるたびに不思議で仕方がありませんでした。

 「聞き間違いかもしれない」そう思って、回りの子どもたちの様子をうかがったこともありました。でもやっぱりみんな「生味噌すり込む」と歌っていて、それ以来どういうことなのかずっと気になっていました。

 そして今回、よい機会なので調べてみることにしました。

 疑問に思っていた人は他にもいたようで、ネットの検索で「あかぎれ 生味噌」と打ち込むと、たくさんの解説が出てきました。読んでみると、医学的根拠はないものの、昔は傷や火傷に味噌をすり込む、という民間療法が広く使われていたということがわかりました。

 そういえば童話の「かちかち山」でもウサギが背中にやけどを負った狸に唐辛子入りの味噌を渡して報復する、というシーンがありました。「かあさん」は治ると信じて味噌を塗っていたのですね。

 疑問は解決しましたが、現実的な傷は一向に治りません。早く治す方法があったら、どなたか教えてください…。(シズ)

第723号 バラ撒きの補正予算