第683号 原発回帰進める政府と対峙する

2015年4月18日 (土) ─

 7日、自民党の原子力政策・需給問題等調査会は、エネルギーミックス(将来の電源構成比率)についての提言を安倍総理に提出しました。15日、私はこの提言を踏まえ、経済産業委員会において宮澤経産大臣に政府の姿勢を質しました。

◆原発回帰鮮明に
 この自民党提言の中で最も着目すべきは経済効率性の項目です。そこでは、「欧米の多くの国で、漸減傾向にあるが現状6割以上になっているベースロード電源の比率について、わが国において国際的に遜色のない水準を確保すること。」と記載されています。

 ベースロード電源とは、エネルギー基本計画に示された政府の定義によると、発電コストが低廉で、安定的に発電することができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源とされ、地熱、一般水力、原子力、石炭火力の4つの発電形態が挙げられています。2013年度には全体の約40%の発電がこれらによって賄われています。

 自民党提言に従うと、これら4つの発電比率を20%アップさせることになるのですが、温室効果ガスの削減が国際的な義務となっている今日では、二酸化炭素を多く排出する石炭火力をこれ以上増やすことは困難です。また、水力、地熱は建設期間と費用の点から大きな増加を見込むことはできません。

 結局、現在0%となっている原子力を震災前に近い水準の20%台に持っていかなければ、この自民党提言の目標の達成は不可能なのです。つまり、これは原発回帰への宣言そのものです。

 経産省の下に設置された審議会においても、ベースロード電源比率を60%程度以上に持っていくべきだという旨の意見が事務局や委員から続々と示されており、政府、自民党、業界団体の三者が一体となって、原発回帰への政策を推し進めようとしているのは明らかです。

 一方で政府は、「エネルギー基本計画」で原発への依存度を低減させるという方針を示しています。国民には原発比率を下げるとしながらも、コストや自給率を勘案すると、最終的には事故前と変わらない結果になりました、との自作自演を行おうとしているのです。

◆再エネ対案で対峙する
 審議会では、原発回帰を前提とした意見が大勢を占め、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの将来における比率を低く見積もった資料が目立ちます。しかし、本来ならば公平な議論のため様々な視点からの検討が行われるべきです。

 4月3日、二酸化炭素削減目標策定を所管する環境省が公表した再生可能エネルギーの導入試算では、2030年に経産省の試算(20%)よりも高い最大35%相当を再生可能エネルギーで賄えるという見込みを示しています。

 ここでは再エネのコストや導入政策を詳細に分析し、経済効果や雇用創出効果も検討しているのですが、経産大臣は環境省報告書を正式な位置づけではなく、また内容も不十分として議論の参考にすらしません。

 これでは、結論ありきといわれても仕方のない進め方であり、ニュートラルなベストミックス議論とは言いがたい状況です。私は原発回帰に盲進する政府に対して、現実的な視点からの対案を示して参ります。(了)

 

スタッフ日記「あれ?ないんですか!」
 4月12日は、私の住む神奈川県でも知事選と県議選がありました。

 知事選は現職と新人の2名の候補で、元ニュースキャスターの現職の圧倒的有利が告示前から言われていました。問題は県議選です。立候補は3名。以前から(うち1人は私が幼稚園の頃からなので30年以上!)市議や県議をやっていた人たちなので、目新しい顔はありません。あの人に入れようか、いや、やはりあちらか、と考えながら投票所まで行きました。

 受付で渡された投票権は知事選用の1枚のみでした。1度で2回の投票は4年ぶりなので、「知事選を書き終わったら県議選を渡されるんだっけな?」などとぼんやりと考えていたら、どうやらそうではないようです。県議選は、定数3のところに立候補が3、つまり無投票だったのでした。

 この仕事に就いてから主に関わってきたのが、まぶちの衆院選・奈良の参院選・各種補選・首長選、とすべて1議席を争う選挙であったので、「定数」という考えがすっかり抜け落ちていました。我ながらうかつだったなあ、と思いながら、「投票をどうしよう?」と考えた時間が少し無駄になったような気がして少し残念な気持ちにもなりました。

 ところで、私の場合は知事選があったので、意義はありましたが、全国では同じようなことで文字通り「無駄足」となった方が随分いらっしゃるようです。再度の郵送は現実的ではありませんが、例えばポスターを貼っている公営掲示板に貼紙をするとか、掲示板自体を撤去してしまうとか、無投票をきちんと告知する手段はなかったものかと考え、夜道をとぼとぼと帰ったのでした。(シズ)

第683号 原発回帰進める政府と対峙する