第659号 選対委員長再任
29日に召集された臨時国会に先立ち、党役員人事が行われ、選挙対策委員長に再任されました。ほぼ全役員交代の中での数少ない再任となりました。
◆統一地方選の目標
選対委員長として当面の最大の目標の一つに、来春に迫った統一地方選挙があります。
よく、統一地方選の目標議席数を聞かれます。これについては、前回より定数自体が減らされている選挙区もあり、過去との単純比較はできませんが、一つでも多くの議席を取りにいくことには変わりありません。その一方で、今回は、「当選率」、すなわち、民主党の候補者のうち、どの程度の数の人が当選するかについてもこだわりたいと考えます。具体的には、当選率80%を目指したいと考えます。ちなみに、過去の数字を見ると、2011年が58%で10人に5人が当選、その前の2007年は76%です。これを踏まえると、当選率80%は決して容易な数字ではありません。しかし、有為な人材を候補者として集め、組織の限られた資源を最大限活かして最高の結果を得るためには、一定の当選率の高さを目指すことは不可欠です。
2011年の選挙は、定員が複数の選挙区に、複数の候補者を擁立することが徹底されたため、当選率は低くなっています。これを教訓にすれば、選挙区の事情を無視した複数擁立による共倒れは避けなければならない。しかし、当選率を重視して候補者を絞り、結果、獲得議席数を減らしたのでは本末転倒です。共倒れのリスクを避けつつ、選挙区の事情を踏まえた最適かつ適切な候補者を立てていく。まさに、ここが選対委員長としての腕の見せ所です。
◆争点は「マミー・プロブレム」
統一地方選の争点の一つに、子育て中のお母さんが抱える問題、すなわち、「マミー・プロブレム」と呼べる問題への対応が挙げられます。
その中でも、特に「女性が働く環境」の改善は急務です。この点は、現政権も取り組んでいますが、まだ甘いと感じます。 例えば、安倍政権は「3年育休」の推進を掲げていますが、実際に育休が取得できる人は経済的に余裕がある正社員などに限られ、非正規雇用にある人への配慮が不足しています。また、女性の就業率向上という量的な側面に議論が集中し、質的な意味での女性の活躍支援、すなわち、女性のキャリア形成への配慮が欠けています。女性が子育てとキャリア形成を両立していくためには、女性に育児の負担が集中している構造を変えること、すなわち、男性の育児シェアが重要です。そのためには、「3年育休」だけでなく、男性、女性ともに活用できる「3年時短」制度(子育て期間中、完全に仕事を休んでしまうのではなく、夫婦で働く時間を短くし、育児をシェアできるようにする制度)も選択肢として提示すべきです。
民主党が掲げる生活者目線の政策は、本来、地方でこそニーズが高いものです。生活に密着した、「マミー・プロブレム」に対応するような政策を、年内にパッケージとしてまとめていきたいと思います。その上で、民主党の政策と理念を共有し、その実現のために汗をかくことができる有為な人材を、有権者の皆様に選択肢として提示していく。それこそが野党第一党の選対委員長の使命と考えます。(了)
スタッフ日記「自分の席は自分で用意する時代?」
11時ぐらいの電車に乗っていた時のことです。ラッシュとまではいかないものの、満席で空席はなく、つり皮もほどほどに埋まっている状態でした。
ドアを入ってすぐの入り口脇のところにおばあさんが持参の折り畳み椅子に座っていました。初めて見るその光景に驚いたので、インターネットで友人に「電車の中にmy座席持ち込みの人がいたよ」と言ったら「いいねえ!」とか「いい考え」という風なお返事を頂きました。
確かに良いアイディアです。 でも私はおばあさんにそれまで誰も座席を譲らなかったのだろうか?とか、そうさせるまでになってしまったことを「これではいけないなあ」と思っていたので、このお返事は意外なものでした。
意外なものではあったのですが、ある部分では納得のできるお返事でした。
このお返事をくれた友人の1人は車椅子生活です。そして彼女は、ときどき通りがかりの人に石を投げられたりとか、心ない言葉を投げかけられるそうです。電車で初めての場所に行くときは、ちゃんと辿り着けるかどうか何日か前に一度行ってみるそうです。そうしてじっくり準備して、当日は私達が1時間かかるところを2時間以上かけて行くのだそうです。
そんな話を聞いていると、自分でどうにか工夫するしかないという現実もわかるのです。
ただ、高齢化社会になってmy座席を持ち込むおじいさん、おばあさんで溢れる車内を想像すると、やはり「いい考え」だけでは済まないように思うのです。(メルモ)