第654号 がん対策に取り組む
この夏、大腸癌だった父が逝去しましたが、父以外にも私のまわりで癌と闘っている友人・知人が増えています。54歳という自分の年齢もあるかもしれませんが、罹患する人が増えているというよりもむしろ、癌との闘病が日常生活の中でも普通に交わされる話題となってきたということだと感じます。
◆新たな治療法への期待
そんな中、新たな癌の治療法、「免疫細胞療法」について努力されている方々と接する機会がありました。当初は、標準治療(手術療法、化学療法、放射線療法)とは異なるこの治療法について、懐疑的な思いもあったのですが、詳しく知るにつれて、徐々にその可能性について興味を抱くようになりました。
これまで、日本の癌対策は、1981年に日本人の死因のトップに癌が躍り出て以来、3次にわたる10か年計画(1984年の「対がん10ヵ年総合戦略」、1994年の「がん克服新10か年戦略」、2004年の「第3次対がん10か年総合戦略」)が策定されてきており、30年が経過しようとしています。しかし、現在も死因のトップは癌であり続け、「がんの根治」という患者の要望が最も大きい分野については、残念ながら十分な成果が得られているとは言えないのが現状です。
手術、化学療法、放射線療法をはじめとした標準治療を更に充実していくことはもちろん、これらと組み合わせることで、癌を根治に導く新たな治療法はないのか、私が「免疫細胞療法」の可能性に注目したのはそのためです。
◆がん研究10か年戦略
今年4月、文科・厚労・経産による「がん対策推進基本計画」が閣議決定され、それに基づく第4期「がん研究10か年戦略」が今年度より開始されています。
4期の戦略テーマは「根治・予防・共生」。その中でも、根治を目指した研究事項に、この免疫細胞療法に関わる事項が盛り込まれています。それが、「アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発」と「新たな標準治療を創るための研究」です。分かりにくい文言ですが、平たく言えば「治療法が十分に確立されていない病気の新薬開発」と「手術療法、化学療法、放射線療法に加えて新たな治療法を創る」ということです。これを踏まえ、10か年戦略では、「免疫療法及び遺伝子治療等をはじめとする新しい治療開発を強力に推進すべき」とされています。
少し用語を整理すると、新たな10か年戦略にある「免疫療法」とは、「体内にある免疫細胞や抗体等を活性化させ、もともと備わっている免疫機能を高めて癌の増殖を抑制する治療法」(国立がん研究センター)です。免疫療法はさらに、①免疫細胞療法、②がんペプチドワクチン療法、③サイトカイン療法、④抗体療法の4つに分けられます。
今後は、この免疫細胞療法をはじめとする免疫療法を、手術療法、化学療法、放射線療法に次ぐ「第4の治療法」として確立していき、患者自身が自らに最も適切な治療法の組合せを選べるような仕組みを構築してくことが、一つの方向として考えられます。
過去30年間の取り組みを踏まえ、これからの10年でどのような結果を示すことができるか。正念場の10か年戦略となりますが、政治の側からも最大限の支援をしていきます。(了)
スタッフ日記「初めての夏休み」
小学1年生の息子は今年、初めての夏休みを経験しました。保育園の時は夏休み期間はなく、働く親の休日がお休みでしたが、小学校では学校が一斉にお休みになるので、切り替えが大変でした。
息子は初日から弁当持参で小学校でやっている放課後クラブに通い始めましたが、広い学校に10人弱ほどしかおらず、ガラーンとしている様をとても寂しく感じたようです。
そのうち、息子「どうして放課後クラブに行かなくちゃいけないの?」母「うちはみんなお仕事しているからね」息子「えー、お家でやればいいじゃん!」という感じで、だんだんと放課後クラブに行くのが嫌になってしまいました。これは困った!さてどうしましょう!
そこで、お弁当の時間が楽しみになるようにと、お弁当箱を息子の好きなドラえもんに一式買いかえ、朝も学校まで一緒に行くことにし、あの手この手でなんとか頑張りました。
その夏休みもあと数日で終わります。放課後クラブのおかげで宿題も国語と算数は早々に終わり、自由研究の工作はお盆休みに一気に、また一行日記は思い出しながら仕上げました。が、まだアサガオの観察日記と読書感想画が残っていることに気がつき、母は焦っています。今週末が勝負です。
息子はこの夏初めて行ったナイターに魅了され、宿題そっちのけで「野球やりたい!今度いつ行く?」と騒いでいます。この夏たくさんの経験をして、また1つ好きなことを見つけたようです。それはそれで微笑ましい夏休みとなりました。(チョロ)