第643号 野党再編をめぐる動き 

2014年6月14日 (土) ─

 日本維新の会の分割を機に、野党再編に向けた動きが表に出てきました。 

 民主党の海江田万里代表は6日、みんなの党の浅尾慶一郎代表、結いの党の江田憲司代表と党首会談を行い、野党間協力をめぐる動きは次の段階に移ったと言えます。これを受け、今週9日には民主、みんな両党が幹事長、国対委員長、選対委員長の会談を開き、私も党選対委員長として出席しました。

◆対立軸は「再分配政策」 
 自民党が多数の議席を握る「一強多弱」の中で、野党同士がつぶし合っていては選挙に勝てない。これは事実です。ただ、一強多弱だから単に野党が集まればいいという発想でやれば、いずれバラバラになってしまいます。与党とは違う価値観を共有し、政権与党に正面から対峙する政党が生まれるかどうかが重要です。 

 ただし、政権与党と対峙するといっても、経済成長を否定するような政党が政権につくことは、もはやありません。安倍政権が打ち出した成長戦略は、民主党政権時代の焼写しであり中身は変わりません。また、集団的自衛権をめぐる憲法解釈問題は別として、現実の外交や安全保障上の即応的危機対応も、大きく変わるものであってはなりません。 

 では、違いはどこなのか。経済の成長を是としながらも、成熟成長時代に即した方策として、得た果実について再分配をしっかりと行うことに重きを置くのが民主党。これに対し、社会的なひずみが生じてでも成長を加速させるため、市場競争の強化に果実を振り向けようとするのが今の自民党です。 

 つまり、社会保障をはじめとした再分配政策のあり方が対立軸です。民主党としては、政権を担った経験を踏まえ、理念を守りつつ、いかに現実的な社会保障政策を打ち出せるかが鍵となります。一足飛びの再編はありません。民主党の理念を共有できる政党と調整・協力を行い、その実績の先に政界再編という可能性が見えてきます。声高に「政界再編」と叫び、一直線に進むこともありますが、丁寧な営みでこそ進むこともあります。戦略的かつ冷静な状況判断が必要です。

◆選対委員長の役割 
 目下、野党各党が模索しているのは来年4月の統一地方選に向けた選挙協力ですが、これについては、党中央が一方的に決めるものではなく、党中央と現場レベルとの緊密な連携が重要です。民主党県連のような地方組織がそれぞれ考える選挙の組み立ての中で、どのような調整が可能なのか探らなければなりません。 

 国政選挙になれば、各党が守りたい選挙区がぶつかり合う事態は当然想定されます。一方、「日が高い」という言葉があるように、現状、与党に対し、野党各党がそれぞれどのようなスタンスを取るのかも明確ではなく、今、あわてて選挙区をぶつけたり、足し引きしたりする時期ではありません。 

 しかし、あらゆる可能性を排除しない。動くべき時はすぐに動けるよう、常に水面下の交渉は行って準備はしておかなければならない。これが裏で実務を担う選対委員長として、私に課されている役割です。大局を見つつ、目の前の仕事に全力で取り組んで参ります。(了)

 

スタッフ日記「負けられない戦いの始まり」 
 冷え性の私にはつらい季節がやってきました。そう、冷房の季節です。特に、朝の満員電車をやり過ごすのが何よりも困難です。 

 足の踏み場もないくらいのすし詰めなので、少々冷房がきつめに設定してあるのは理解ができます。 

 でも、だからといって身体がそれに対応してくれるわけではないので、猛暑日の屋外でもない限りたいてい長袖のカーディガンを着用している私ですが、それでも1時間も乗っていると、すっかり冷え切って、背を丸め、指先に息を吹きかけながら歩く、マッチ売りの少女もかくや、といわんばかりの状態になってしまいます。 

 ところで、節電・エコといった言葉が当たり前のように使われる最近では、昔ながらの扇子を持ち歩く人がずいぶんと増えました。片手にもったハンカチで汗を拭いながら、もう片方の手で首筋や顔をあおぐ、といった様子はいかにも夏らしい、風情のある光景です。 

 ただ、私たち冷え性にとってはちょっとした脅威でもあります。 

 扇子の風は使っている本人だけに留まるという事はまずありません。冷えた身体にはこれがなかなかつらいのです。 

 スペースに余裕があり、逃げ場がある場合ならともかく、せっかく座れた満員電車で隣の人が扇子を使っていると、席を立ちたくもないし、寒いのもイヤだし、時にはお腹も痛くなるし、と少しブルーな気持ちになってしまいます。せめて、顔の横のほうからではなく、正面から静かにあおいでくれればよいのですが…。 

 3ヶ月ほど、毎日が戦いです。下車=負け。遅刻だけは何とか避けたいのです…。(シズ)

第643号 野党再編をめぐる動き