第635号 権力と金の癒着を断つ 

2014年4月19日 (土) ─

 15日、衆院鹿児島2区補欠選挙(27日投開票)が告示され、党選対委員長として現地に入り陣頭指揮を取っています。 

 先週の国会質疑と今回の選挙、一見何のつながりもないように思われるかもしれませんが、私の念頭にあるのは、「権力と金の癒着」という共通の問題意識です。

◆賠償に優先する銀行融資 
 庶民のささやかな暮らしを守るお金は後回しにされ、巨大権力のお金だけは守られる。そんな権力と金の癒着はあってはならないことです。 

 9日の衆院経済産業委員会で私が追及したのは、東京電力に融資しているメガバンクが、震災前に無担保で貸していた融資を、担保付融資(私募電力債)に切り替えている問題です。この担保付債権は、東電が仮に破綻した場合にも、被災者への賠償よりも優先される強力な債権です。昨年10月の会計検査院報告によると、その額は約7200億円にも上ります。 

 実質国有化され、国費を投じてかろうじて破綻を免れている東電をめぐっては、本来、銀行や株主責任が問われてしかるべきです。東電の救済スキームを定めた原子力損害賠償支援機構法には見直し規定が置かれており、昨年8月を目途に銀行や株主などの責任を踏まえた見直しを行うこととされていましたが、政府はいまだに見直しを行っていません。こうした中で、本来、責任を問われるべき銀行が、金融スキームを駆使してこっそりと自分の債権だけは守ろうとしている。これでは被災者、国民への背信行為と言われても仕方ありません。 

 私は9日の委員会でこの問題を茂木経産大臣に問いただし、この金融スキームを、2016年度を目途にできるだけ早期に見直すとする大臣答弁を引き出しました。これについて、1つの踏み絵は、今月末に行われるとされる4メガバンク2信託銀行による1040億円の担保付融資の借り換えです。その際、担保なし融資への切り替えが行われるのか、銀行、そして政府の対応を注視したいと思います。

◆問われる「政治と金」の問題 
 みんなの党の渡辺喜美代表の8億円借り入れ問題も、権力と金をめぐる問題です。 

 あれほど政治と金について厳しく語っていた党首が、十分な説明がないままに辞任。当事者ではない政治家は声高に責任を追及し、当事者の政治家が「説明責任を果たした」と言い張るいつものパターンとなっています。こんなことを繰り返していては、政治は国民の信頼を失ってしまいます。国会には政治倫理審査会という検証の場もあります。きちんとした形で説明責任を果たすべきです。 

 一方で、この政治と金の問題で、国民が判断を下す機会が今まさに到来しようとしています。27日投開票の衆院鹿児島2区補欠選挙です。徳洲会グループの選挙違反事件を受けた徳田毅氏の議員辞職に伴う補選であるだけに、まさに政治と金の問題が問われます。言うまでもなく、国民が政治を動かす最大の方法が選挙です。鹿児島2区の有権者のみならず、全国民が注目すべき選挙となります。権力と金の癒着を断ち切るために、何としても勝たなければならない。脱金権政治を賭けた戦いに勝つべく、選対委員長として全力を尽くします。(了)

 

スタッフ日記「吉野山の春」 
 関西の桜も造幣局の通り抜けが終わり、すっかり葉桜となってしまいました。桜前線はこれから東北から北海道へと移っていくようです。 

 奈良にも桜の名所がたくさんありますが、中でも吉野の桜は全国的に有名で桜の季節になるとテレビのニュースで毎日のように中継されています。吉野の桜は平安時代から植え続けられ、下千本・中千本・上千本・奥千本と呼ばれ、どこから見ても「人目千本」と言われるくらい桜の数が多いことでも有名です。4月初旬から末にかけて、山の下の下千本から順番に山上へと開花していく景色も見事です。毎年見に行きたいと思いつつ、なかなか実現できませんでしたが、今年は友人と出かける計画を立てました。

 当日は、好天に恵まれたうえに、金峯山寺で大名行列が山伏の吹く法螺貝と共に参道を練り歩く花供会式が行われたため、いつも以上の観光客でにぎわっていました。桜の多くは白山桜だそうです。遠くから見渡すとまるで桃源郷にでも来たかのようで、微妙に濃淡がある桜の山々は言葉に出来ないくらいの感動でした。桜以外にも、レンギョウ・雪柳・こぶし・モクレン。たんぽぽと春の花が一面に咲きほこり、山道を歩いていると風が吹き、桜吹雪の中を歩いているとまるで映画のワンシーンのようでした。参道には地元の名産が売られており、美味しい春の味覚も十分に堪能しました。やはり日本の春は「桜」ですね。(エバ)

第635号 権力と金の癒着を断つ