第631号 現実主義の年金改革
年金改革私案を発表しました。私案本文は、まぶちすみおHP(2014年1月28日年金改革私案)からご覧ください。
◆今、なぜ年金改革私案か
民主党政策の1丁目1番地は、何と言っても社会保障です。民主党は、「消えた年金5000万件」をはじめとする社会保障問題への追及で政権を付託され、社会保障財源としての消費税導入により政権を失いました。その意味で、社会保障政策は、民主党にとって特別な意味を持っています。党再生を実現する上でも、また、社会保障に後ろ向きな現政権に対する対立軸という意味でも、社会保障政策を再度練り上げることが必要不可欠です。そのような意識で、私自身、党内議論に一石を投じるため、昨年秋から、党選対委員長としての仕事の傍ら、年金制度についての勉強を重ね、検討を続けてきました。
◆「人」に焦点をあてた改革
これまで党の年金改革の議論は、「一元化」と「最低保障年金」を二枚看板にしてきました。いわば制度改革に焦点を当てた議論と言えます。一方で、一元化には、自営業者も含めた正確な所得捕捉が前提になりますが、課題が多いのが現実です。また、最低保障年金導入には、保険料未払い期間についてまで給付保障するのは制度上難しいという問題があります。
ではなぜ、「一元化」と「最低保障」なのか。それは、非正規雇用の増加など働き方の多様化により、従来の制度では、多様なライフコースの選択に対応できない。また、非正規で働く若者が、将来、無年金・低年金に陥るリスクが高いなどの社会的課題に対応するためです。
重要なのは、制度ではなく、その目的の実現です。そこで、私案は、対象、すなわちターゲットを絞り、そこから年金改革を考えました。いわば、制度ではなく、制度を利用する「人」に焦点をあてた改革です。特に、年金制度に対する関心が薄く、かつ、現行制度が十分に対応できていない、若者や子育て世代に焦点をあてました。また、移行に時間がかかる一足飛びの抜本改革ではなく、そこに近づけるための現実路線の改革メニューを提示することとしました。
◆若者・子育て世代を応援する
主な改革メニューを紹介すると以下の通りです。①一元化については、実現のための一里塚として、週20時間以上の非正規労働者への厚生年金の完全適用を目指した改革を実施。②若者を支援する仕組みとして、フランスの制度を参考に、職業訓練の期間や失業期間などを厚生年金の適用対象とする。また、保険料を納めることが難しい若者のために、保険料納付猶予制度や免除制度を実態に合わせてより利用しやすい制度とする。③子育て支援として、産前産後、育休期間、さらに、育休期間終了後も子どもが一定年齢に達するまで、保険料負担を免除・軽減する。④最低保障機能強化については、高所得を得ている年金受給者の基礎年金の減額などを行い、それを財源として低所得者に対して福祉的な給付措置を行う。
私案発表後、「今までの改正と視点が違っていて興味深い」などのコメントを頂きました。今後、党内議論に、私案をインプットし、現実路線の改革を引っ張っていきたいと考えます。(了)
スタッフ日記「赤と白だらけ」
3月21日、春分の日から春の甲子園が始まります。
私は昔から高校野球が好きで、子供の頃は春休み・夏休みの大会期間中は1日中テレビの前に陣取り、トイレも試合と試合の間か、たまに挟まれるニュースのとき、と決めていたくらいでした。働くようになった今も、全試合を録画し、ひいきの学校や、すごい試合を見逃さないようにしています。
今年の春は奈良から智辯学園が選出されています。また、お隣の和歌山県からは智辯和歌山が選出されているので、兄弟校揃っての出場となりますが、実は各々が2回ずつ勝つと「智辯対決」が実現します。
お互い強豪校なので、この2校が対戦するのはこれが初めてではありません。2002年の夏の甲子園、それはもう大変なインパクトでした。
何しろ、ユニフォームが全員同じなのです。違うのは肩についている「奈良」と「和歌山」という県を示すワッペンと校章だけ。テレビを観てもどちらが攻撃でどちらが守備なのか、注意しないとよくわかりません。
また、そのユニフォームも、他の学校は白地に黒や紺、青など引き締まった色が多い中、白地に赤、という独特のカラーリングです。つまり紅白の服を着た人たちがたくさん集まり、画面を動き回っているのです。その光景は何かちょっとしたお祝い事でも始まるかのようでした。
雨が降らなければともに初戦は24日、対決するとしたら大会9日目の29日です。どちらにも頑張ってもらって、またにぎにぎしい、赤白だらけのグラウンドを見たいものです。(シズ)