第580号 消費税引上げ対策法案

2013年3月9日 (土) ─

 民主党は自民・公明両党と、社会保障・税一体改革の残された課題及びその他の税制改正項目について、今年1月上旬から協議を進めてきました。その結果、従来から民主党が主張してきた所得税の最高税率、相続税・贈与税の見直し、大学等への寄付による税制優遇、給与所得者の特定支出控除特例、交際費課税の特例、贈与税非課税枠拡大等が閣法である平成25年度税制改正法案及び附則に盛り込まれることとなりました。 

 一方、三党協議で議論の先送り又は与党の対応が不十分と考えられる事項については、国民生活・経済への影響を考慮し、早期に取り組むべき事項について、民主党は独自に議員立法で対応することとし、5日の民主党「次の内閣」閣議で消費税引上げ対策法案(以下「対策法案」)を了承しました。

◆法案の主たる内容と背景
(1)逆進性対策 
 消費税率引き上げにあたっては、その影響を大きく受けることとなる低所得者への対策(逆進性対策)が不可欠です。しかし、消費税8%への引き上げ時期が来年4月に迫っているにも拘らず、未だ与党は、逆進性対策の具体的制度設計を示せていません。 

 そこで、対策法案では、逆進性対策について結論時期と方向性を示すため、①来年4月に税率を8%へ引き上げる段階で、一定の所得以下の人に現金を給付する「簡素な給付措置」を実施、②税率を10%に引き上げる前の再来年3月末までに、所得に応じて給付や控除を行う「給付付き税額控除」、「複数税率」等の本格的な対策の結論を出すことを定めています。

(2)住宅取得に係る対策 
 次に、取引額が高額であり、消費税率引き上げに伴う税負担が重い住宅取得については、住環境の変化等も踏まえつつ、中低所得者に対する負担緩和のための給付措置等について速やかに対象者・金額等の具体化を行うとしています。 
 負担緩和措置の対象者については、与党側から住宅ローン減税の対象者に限定する旨の意見もあったようですが、対策法案では、子どもが独立した後の親世帯が小規模マンションを購入・転居する場合等を想定し、面積要件(50㎡以上)のため住宅ローン減税で優遇を受けられない場合への措置等も視野に入れています。

(3)自動車取得税・重量税等 
 上記に加え、二重課税への対応や駆け込み需要とその反動を抑えるため、①来年3月末に自動車購入時に払っている自動車取得税を廃止、②来年4月末に車検時に払っている自動車重量税の「当分の間税率」の廃止等も盛り込んでいます。

◆議員立法の意味 
 消費税引き上げに関する議論はこれまで民・自・公三党の税調会長レベルで協議が行われてきました。今後、議員立法の提出により、税率引上げ対策に関する議論は、三党間の協議から国会へ論戦の場を移します。 
 今回の法案は、対策の期限・方向性を示し、論戦の場を国会に移すことで、開かれた場で与野党で議論をし、早期に結論を得ることを目的としています。社会保障・税一体改革は、民主党が先鞭をつけた改革であり、野党の立場であっても、政府与党をリードしていく気概を持って議論に臨んでいきます。(了)

 

スタッフ日記「できる人ってかっこいい!」 
 はじめまして、2月からインターンをさせていただいている大学1回生です。 

 私の通っている同志社大学には400以上のクラブとサークルがあり、たいていの学生がその中の1個や2個、多い人で5個ぐらいのクラブとサークル活動を掛け持ちしています。私も3個のサークルを掛け持ちしているのですが、その中でとても入ってよかったなぁと思うサークルがあります。 

 それは、ボランティア活動のサークルです。基本的な活動内容は、子供たちを泊りがけのキャンプや日帰りのハイキングに連れて行き、さまざまなプログラムを用意して楽しませてあげることです。もちろんキャンプといえばカレーなので飯盒炊爨(はんごうすいさん)をし、たまにはドラム缶風呂にも入ります。 

 そしてなんといっても忘れてはならないのはキャンプファイアーです。 

 サークルに入りたての頃はキャンプファイアーの設営どころかまともに火すらおこせず、先輩が小学生に教えているのを見ながら自分も勉強していました。そんな状態だったので、これでは自分が先輩になったときに後輩に教えられないのではないか、と焦りすら感じていました。 

 それから、1年の月日が経ち、4月からは2回生。去年の夏からたくさんのキャンプに参加し、一生懸命習得してきた技術を後輩に見せる機会です。僕の中では「何でもできる人ってカッコいい!」という思いがあるので、「デキる先輩」として、まずは火をおこすところから、がんばってみたいと思います。(いっしー)

第580号 消費税引上げ対策法案