第572号 検証「アベノミクス」
8日、政府の「日本経済再生本部」の初会合が開かれました。公共事業、金融緩和、成長戦略の「3本の矢」を組み合わせた経済政策(いわゆる「アベノミクス」)について、現時点での状況をもとに検証してみたいと思います。
◆公共事業
安倍政権は、今年度の補正予算案を、国と地方の負担を合わせた事業費ベースで13.1兆円とする方針です。そのうち5.3兆円程度が、減災・防災対策を中心とする公共事業になるとみられています。民主党政権で編成した今年度1年分の当初予算では、公共事業が4.5兆円程度であったことを考えれば、春までの補正予算として、公共事業5.3兆円は極めて巨額です。
公共事業は、短期的には景気を下支えする効果があります。しかし、1990年代には景気対策のために毎年10兆円程度の公共事業を行って、国と地方の借金が合わせて1千兆円に膨らんだ苦い経験があります。
公共事業は一過性のカンフル剤に過ぎません。時代に合った、新しい国の姿を念頭に置いた成長戦略と、それと密接に関連した公共投資、例えば、再エネ・省エネへの投資や医療・子育て分野への投資等を考えるべきです。
◆金融緩和
政府と日銀が物価上昇率などで共通の目標を定め、取り組む政策を明記した協定(アコード)を結び、金融緩和によるデフレ脱却を図るというのは、私の従来からの主張でもあります。
しかし、政府は、当初の公約に反し、6日の麻生副総理兼財務相の「協定という言葉にこだわる必要はまったくない」との発言をはじめ、軌道修正を探り始めています。
協定の意義は、物価上昇への予見と期待を市場に与え、投資と消費を促すとともに、政府・日銀に政策の実施と説明責任を課し、両者が連携してデフレ脱却に取り組むことにあります。金融市場はすでに動き出しています。ここで、方針がぶれれば、市場の失望を招き、株安と円高に逆戻りしかねません。日銀法の改正も視野に、政府は、覚悟と責任、そして一貫性を持った対応を取るべきです。
◆成長戦略
「3本の矢」のうちで最も重要なのが成長戦略です。公共事業と金融緩和は、対症療法に過ぎず、経済再生のためには、将来の日本の産業の姿を描く成長戦略の立案実施が不可欠です。
民主党政権は、「エネルギー・環境」「医療」「農林漁業」という重点3分野と、中小企業育成を成長戦略の柱とし、原発ゼロ社会を目指すエネルギー政策ともリンクさせ、来年度予算編成に臨みました。しかし、安倍政権では、成長戦略の重点分野が未だ決まっておらず、補正・来年度予算における公共投資をどのように将来の日本の成長・産業育成に結びつけるのかという最も重要な視点が欠落しています。
公共事業と金融緩和によって経済を下支えしている間に、成長戦略を実現し、本当の経済再生を成し遂げなければ、物価は上がったが給料は上がらず、膨大な国の借金だけが残るという最悪のシナリオが待っています。政権は、成長戦略策定を急ぎ、それから逆算した経済対策を効果的に講じるべきです。成長戦略の提案も含め、政府与党に対し、創造的野党として堂々と論戦を挑んでいきます。(了)
スタッフ日記「年明けからのハプニング」
あっという間に年があけ、また新しい1年が始まりました。
昨年の選挙は民主党に逆風のふく大変厳しいものでしたが、多くの方々に温かいご協力と応援を頂きました。
私は、昨年末からお休みを頂き、主人と友人と5人で海外旅行に行って参りました。
できるだけ安くあげる為に、航空券やホテルも自分達で探し、日程も全て自由。自分達のやりたい事ができる分、何から何まで決めなくてはなりません。
いざ帰国の日、受付には長蛇の列。乗る予定の飛行機が整備不良で欠航し、いつ出発できるかわからない、という事態が発生していました。数時間後、ようやく乗り継ぎの空港までたどり着きましたが、日本行きの便はすでに出航した後でした。
乗り遅れたことに対する保障はありません。日本行きの便はお正月で全部満席で、辛うじて予約が取れたのは2日後の便でした。それから宿を探し、各々職場や家族への連絡。なんとか落ち着いたころには、日が暮れていました。
次の日も早朝から空港でキャンセルを探したもののうまくいかず、日本が遠く感じられました。1人だったら…と考えるとゾッとします。一緒にいてくれる人がいてよかった。事務所の方々には本当にご迷惑をおかけし、申し訳ないかぎりです。
年明けからのハプニング。今年はどんな1年になるのでしょうか?このようなことのないよう気をひきしめて頑張ります。本年もよろしくお願い致します。(まーちゃん)