第560号 2つの党首選 

2012年9月29日 (土) ─

 去る21日に民主党野田代表、そして26日に自民党安倍総裁が誕生し、与野党の党首が改めて選任されました。 

 党首選は国政選挙と違い、党員・議員による選挙ですから一般国民にとっては「蚊帳の外」感は否めません。しかし、政権交代可能な二大政党制に近い状態となった今日の国政において、党首選は次の総理を選ぶ選挙となる可能性が高く、それなりの注目度はあったと思います。 

 この2つの党首選を有権者の一員という立場から改めて見て、結果はそれぞれ党の特色が表れたと思っています。

◆与党の党首を選ぶ大義とは 
 民主党の代表選挙は、私自身も出馬検討の機会がありましたが、結果は野田総理とその他3名という構図になり、結果も党員含む地方票、議員票ともに野田総理が7割近くを固める圧勝でした。 

 私は、この選挙を通じ、そもそも与党の代表選挙のあり方に問題があるのではないかということを痛感しました。 

 慶応大学の曽根泰教教授が政権交代時代の政治とリーダーシップについて「首相擁立政党は、本来、在任中の代表選を控えるよう、党の規約を整備するべき」であり「選挙目当ての党首交代をつつしむべき」だと述べているように、短命政権を回避し、政治主導、政策本位の政治に再生するためには、与党の党首=総理が在任中の党首選挙は理にかなわないのではないかと実感したのです。 

 極論すれば今回の代表選は党首の信任投票のための選挙という以外の役割はなかったとも言えます。そのような状況で対立候補が複数出馬することが、ある意味派閥・グループの力が弱い民主党の特徴を表しているのかもしれません。

◆派閥の力学
 一方の自民党総裁選挙は、政権奪還後の総理を選ぶ選挙という位置づけで全国遊説を行うなど、野党の党首選という位置づけを最大限に生かすキャンペーン展開ができたのではないでしょうか。その意味で、与党の党首選のような信任投票とは違う「戦う党首」を選ぶ党首選らしい姿を示すことができたと思います。 

 しかし、その結果はというと、正直驚きをもって受け止めています。5人の候補者で争う選挙で全国の党員票の過半数を獲得した石破氏が決選投票で安倍氏に敗れました。党員の民意を受け止めることなく脱派閥・脱長老支配を訴えた石破氏が議員票で敗れる結果となったことは、自民党の派閥・グループの力の強さを示すものでした。 

 民主党は信任投票にもかかわらず候補の一本化やあるいは無投票再選ということすらかなわないほど派閥・グループのグリップが弱く、組織としての凝集力の脆弱さが目立ちましたが、一方自民党は党内民意を覆す力がいまだに党内にあることを示したのでした。 

 どちらが良いか悪いかは、それぞれの判断だと思いますが、奇しくも二つの党首選で改めて両党の特徴が表れたのではないかと思います。ただ、いずれの姿も私には奇異に映ったことも確かです。今後新しい政党のあり方を私自身模索し、皆さんに提示していきたいと思っています。(了)

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スタッフ日記「月ヶ瀬ポスティング」
 最近ようやく朝晩涼しくなり、爽やかな季節になってまいりました。

 先日事務所では、恒例のキャラバンポスティングがありました。  

 キャラバンポスティングは、「馬淵さんが毎週発行しているまぶちニュースを奈良市全域の方々に読んでもらいたい。(事務所スタッフだけでは困難なので)配布できていない地域はボランティアも協力して一団となってポスティングをしよう!」という支持者の方々の熱い思いからはじまりました。   

 あれから9年あまりの月日がすぎましたが、皆様のおかげで、今もキャラバンポスティングは続いています。 

 そんな当初からのメンバーのお1人、Wさんから提案がありました。「今度また月ヶ瀬へ行こうや」 

 私は、以前自分が行った時のことを思い出しました。 

 月ヶ瀬村の世帯数は500軒余りと数こそ多くないのですが、面積が広く、起伏が激しいうえに、お家とお家の間隔が離れているので、なかなかはかどりません。半日がかりで配り終えたころには、足は棒のようになっていました。 

 それでも山間のおだやかな風景と、優しい方々との出会い、皆でやり遂げたという達成感もあり、疲れていたはずなのに不思議ととても楽しかったことを覚えています。Wさんも同じように感じておられたのでしょうか? 

 ハイキングにも良い季節です。ぜひ月ヶ瀬ポスティングを企画したいと思っています。今までご参加くださった方も、初めての方も、ご興味のある方がいらっしゃいましたら一緒に行ってみませんか? (まーちゃん)

第560号 2つの党首選