第479号 予算関連法案・2

2011年2月26日 (土) ─

 2011年度予算関連法案のうち、赤字国債を発行する特例公債法案と税制改正法案の2つについては3月末までの成立が難しい情勢となってきました。マスコミなどでも取り上げられているように、特例公債法案が通らなければ、赤字国債の発行ができないだけではなく、独立行政法人や特別会計のいわゆる「埋蔵金」の繰り入れも出来なくなるため、一般会計92.4兆円のうちの44%にあたる40.7兆円の歳入が見込めないこととなります。そうなると、お金が入ってこないのですから、行政の活動の半分がストップする可能性があります。

 今回の予算関連法案は合計で26あり、それぞれが私たちの生活と密接な関係を持っています。

 税制改正法案が通らなければ、マイホームを購入する際に重い税負担(今の6倍)が発生してしまうことは先週お伝えいたしましたが、ビニールハウスの加温や、漁船の燃料など、農業・林業・漁業で使う重油への免税措置が出来ないことにより、第1次産業が打撃受けることも予想されます。従事されている皆さんが痛手をこうむるのはもちろんですが、燃料が高騰した分が価格に上乗せされることになると、野菜や魚などは身近なものであるだけに、家計を直撃することとなります。

 「タバコ・お酒・ビール」というささやかな愉しみにも値上げの波が迫っています。先ほどの税制改正法案が成立せずに、特例が失効してしまえば、タバコやお酒を輸入するときの税率が上がってしまいます。ビールに関しても、関税定率法案の行方次第では暫定税率が失効し、麦芽の価格が上昇してしまうため、値上がりするものが出てくると考えられます。

 財務省は毎年、税収が国庫に入るまでのつなぎのため、「政府短期証券」という短期国債を数兆円程度発行しています。そのため、4月に入ってすぐに予算の執行が滞ることはないと思われますが、6月には地方交付税の配分や年金の支給があるため、その政府短期証券で調達した資金が底をついて、7月以降には予算の執行が出来なくなり、公共サービスの維持が難しくなります。

 借換債(かりかえさい・国債を返すために発行する国債のこと)を工夫して利用することで、何とか資金繰りを確保できるのでは、という見方をする人も多くいるのですが、借換債を別の用途(国債の返還→行政サービス等)に転用することになるので、財政規律の面からの問題点も指摘されています。先に述べた政府短期証券も、特例公債法案の不成立で返せなくなる可能性から、発行を不安視する向きもあり、6月を待たずに資金が枯渇してしまうという最悪のシナリオを考える人もいるようです。

 仮に、予算の執行が制限され、行政サービスにも大きな影響が出ることになった場合、その選択をどのようにしてゆくのかも重要な課題です。年金・医療・介護などの社会保障費をどうするのか、何を削って、何を維持すべきか、生活に及ぶ支障が最小限で済むようにしっかりと議論しなければなりません。しかし、まず第一にはそのような事態が起こらないよう、国会で審議を尽くしたいと思います。(了)

 

まぶち@国会「集中審議(シューチューシンギ)」
 集中審議とは、衆参の委員会において1つの重要なテーマに絞って集中的に行う審議のことです。国会において何かを決定する際、前もって話し合っておかなければならない問題を取り上げます。現在開かれてる予算委員会では、外交や安全保障に関するもの、また民主党の公約における財源問題に関するものなどが集中審議のテーマとなっています。

 予算委員会の審議は、この国のあり方を決める上で最も大きな役割を持つため、審議の妨げになる問題点を慎重に討論していく必要があります。2月21日に行われた集中審議では、「政治とカネ」に関する討論が行われました。このテーマでは国民の税金が果たして正確に使われているのかを見直し、様々な疑惑を解明させる為に開かれました。国民に広く知られたテーマであることから、関心度はかなり高いものだったのではないでしょうか。

 実際に第1委員室で傍聴してみると、大臣たちが野党議員と討論を繰り広げ、時に罵声が、また時に歓声と拍手が響き渡る様子は大変迫力があります。テレビ中継のカメラをはじめ多くの報道陣がいることからも集中審議がいかに注目度の高い討論であるかを実感出来ます。「政治とカネ」に関する集中審議では、野党議員から多くの質問が提示され、審議は6時間にも及びました。問題の解決には多くの課題が残っていると思いますが、今回の集中審議が問題の解決に向けた1つの糸口となることを期待します。(牛久)

第479号 予算関連法案・2