税調、ようやくの修文決着

2011年12月30日 (金) ─

 日付が変わってしまったが、正確には29日の23時45分に税調にて消費税増税議論の結論が出た。午後3時から休憩を3回はさんでようやく決着。党内には割れてはならないという、まとめの意思が働いての結果だと思う。

 最終的には参加者の意見を踏まえて、前文で「議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施したうえで税制抜本改革による消費税引き上げを実施すべきである」となった。

 ここは、定数削減や行革の「実施」が前提となったということで、自ら襟を正すことの前提が担保されるということの理解だ。

 また、昨日僕も発言をした附則104条の前提条件をどのように担保するかということについては、「名目・実質成長率・物価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案したうえで、引き上げの停止を含め所要の措置を講ずるものとする」となった。

 また、こうした条件のもとに「与野党協議を踏まえて法案化を行う」と最後に記されることになった。

 総理出席で深夜に及ぶ議論。総理から「引き上げ時期・幅」についての強い決意が示されたのが、午後6時半。いわく「2013年10月に8%、2015年4月に10%」と昨日と同様の提示。

 その後、反論が相次ぎ、休憩をはさんで総理から改めて提示されたのが「2014年4月に8%、2015年10月に10%」。総理の大幅な譲歩と事務局から示される。しかし、これでは収まらない。結局再度の提示が、上記の条件。

 昨日、僕は104条の前提条件について述べたのでもはやそれ以上の意見はない。むしろ、今日は、総理がどの程度のハラをもってこのことに臨むのかを見極める以外にないと思って出席した。 果たして、解散までを覚悟しているのか。国民との約束を反故にしてまでも行う覚悟が本当にあるのか。その答弁に注目した。

 結論は、残念ながら、僕にはその覚悟を感じることはできなかった。しかし、出席議員の意見に耳を傾ける姿は見ることができた。

 税調のまとめの総括は、またあらためてしようと思うが、最終的には「まとめよう」という意思が全議員に働いた結果だと思う。総理が出席して、不退転の決意で時期と幅を明記しようとしかつ法案を提出しようとするのであれば、それは簡単には覆るものではない。その中で、ギリギリの折り合う点を模索した結果。残念ながら、増税路線そのものは代表選挙で決しているというのが実情であり、その代表選に敗れた自分としてはもう一方でハラをくくる以外にない。そして、漸く、こんな時間にホッとして記す時間ができたが、さすがに疲れた。
 
 税調の議論は終わったが、僕にできることは、今日修文された事項に基づいて法案提出までにまた議論に参画し、附則104条に記されている前提条件のトリガーをしっかりと書き込めるように働きかける以外にない。

 税調の会議が終わり、日付が変わるころ会館を出ようとすると後ろから「まぶっちゃん!」と声をかけられた。

 振り返ると人だかりの中からこちらに顔を向ける人影。野田総理だった。

 「ありがとう。」と手を差し出された。

 実は代表選挙以来、4か月間、一言も声をかけられることもなければ挨拶を交わすこともなかった。予算委員会でも僕と目を合わすことはなかった総理から、声をかけられて、少々驚いた。

 ホッとされたのだろうか。

 こちらも、「代表選挙以来ですね。言葉を交わすのは。」と答えた。

 しかし、安堵できる状況ではない。厳しいのはこれからだ。

 増税はこのタイミングで行うべきではない、との考えは変わらない。しかし、今回、代表に選ばれた総理の意思が通ったかたちだ。

 そして、これからが正念場。いばらの道が続く。

税調、ようやくの修文決着