春日山練成会

2006年9月24日 (日) ─

 昨年、参加予定にしていた春日山練成会。

 春日大社が主催する、丸一日かけて大社の大宮から本宮はじめ末社まで巡拝する練成会は、普段は立ち入り禁止となっている「御蓋山(みかさやま)」に入山できることにおいても貴重な機会である。

 かねてより、ぜひとも参加したいと思っていたのだが閉会中のこの最後の日しかないと一年前より、予定してきた。

 朝早く、春日大社の景雲殿に向かう。ヒロコと二人参加だ。

 御蓋山に入山するということは、神域に立ち入るということなので肉類などを口にしてはならないということ。支給された弁当以外は、口にできない。神域で、本宮から末社まで参拝を繰り返し、その春日の神々のご守護に心からの感謝をお伝えすることが目的であり、春日原生林に踏み入るハイキングではない、と大先達(だいせんだつ)の神官からご教示を受ける。

 そっ、遊びではないのだ!、と自らに言い聞かせる。しかし、大先達の神官はなんと小学校の同級生のI君(!)。思わず、笑顔で「ユージ!」とヤァヤァ!モードになってしまう。

 しかし、そこは気を引き締めて全国から集まった参加者数十名と共に、大社内の摂社水谷(みずや)神社から巡拝開始。

 神妙な面持ちで、大祓之詞(おおはらいのことば)を捧げる。

 そして、大宮に参っていよいよ本宮へ。立ち入り禁止の区域へと踏み入るのだが、当然ながら人が踏み入れる場所ではないので、山道すらない険しい斜面。

 奉行(ぶぎょう)と呼ばれる神官の「さーんげ、さーんげー!」、「ろっこーん、しょーじょー!」との言葉に合わせて杖を頼りにゆっくりと足場を確認しながら山を登る。

 さんげは「散華」。ろっこんしょうじょうは「六根清浄」。修行僧などが山にこもるときにも発するこの言葉を、同じように神域に立ち入るとき神職も発するという。さんげは懺悔にも通じるとのこと。五感と心を六根と言い、それらが清め改められることを願いながら登るのだという。

 生まれて初めて分け入った御蓋山の山頂は、霊気に満ち溢れていた。本宮で、奉告祭を行い、そして末社を巡って春日原生林をひたすら歩く。

 神々が宿るこのご神域の山には、人の心を落ち着かせる大きな力がみなぎっているようだ。

 と、突然、はいていた登山靴の底がはがれ出した。しかも両足共に。

 見る見るうちに底がベロベロとなって、剥がれ落ちそうになる。心の落ち着きは吹っ飛んで、ひたすら焦る。靴の底がはがれて、足がむき出しのままこの山道を丸一日歩けるか!?。苦悩の表情を横でヒロコは笑いを必死にこらえている。

「なんで、お父さんってそーなの!?」と、言われても困る。靴は俺のせいやないやろ。長いことほったらかしにしてた登山靴は底のゴムが劣化してしまっていたようだ。しかし、よりによって練成会の山道で...。

 しかし、何とか、もった。無事、全道程を終えることができた。きっと、これも春日の神々が修行を与えてくださったのだろうと、納得。

 実質、明日の党大会で、国会活動はいよいよ再開だ。春日の神々のご守護があると、信じている。

春日山練成会