待ったなしの日本財政危機
2005年10月20日 (木) ─
「議員に出る人がいてもいいが、我々はまだ危機の実態や解決の選択肢を説明しきっていない。私は血へどを吐くまで説明責任を果たしたい。」
との、財務官僚としての心意気を語る財務省の若手官僚が著した掲題の著書がおもしろい。
たまたま知り合いでもあるのだが、財務省にお勤めの著者である矢野康治さんは著書で、この国の財政危機を非常にわかりやすく、端的に示してくれている。
国会でも財政問題を議論するセンセイ方は多いが、間違った認識の下に議論されている場面などを実際に目の当たりにすることも少なくなかった。
この矢野さんの語られるところの、わが国の財政のストックとフローから見る「現状認識」、そして今後の「持続可能性」、さらにナゼ国民の危機意識が薄いのか、そしてこうした方々を助長する「楽観論者」の論理の間違い、など財政の状況が実に詳しく理解できる。
矢野さんは小泉総理に怒られるような、悲観論者ではない。むしろ、現実を見つめて、その上で楽観できるような未来を創造する責務が我々にあるのだという強い責任感を持っておられることを感じる。
待ったなしの危機!、はこの国の全てにおいて言えるのである。
待ったなしの日本財政危機