崩壊、不在、暴走そしてまた崩壊
安倍内閣の「官邸崩壊」のありさまを明らかにし、そして麻生内閣の解散先送りをいち早く発信するなどメディア界では「感度No1」ジャーナリストの上杉さんとご一緒する。
安倍内閣の崩壊をいち早くつかんだ上杉さん曰く、官邸崩壊の予兆は3つ。
一つ目は、自民党総務会という平場での公然とした総理批判。
これは先日、二次補正予算の先送りに対して、山本一太参議院議員が自民党総務会で公然と批判を展開したそうだが、こうした平場でのトップ批判というのは組織に致命的なダメージを与える。そしてその一つ目が起きた。
二つ目が、内閣記者会(官邸クラブ)での総理批判。
これは公ではないが、いわゆる総理版記者が総理の言葉の重みというものを評価しない状態が起きることを意味するらしい。官邸に入ったことがないのでわからないが、すでにこの官邸クラブ内での記者の対応は冷めたものらしい。上杉さん曰く、記者はもはや総理のいないところでは批判を展開しているとのこと。内閣記者会が、もはや総理の言葉を重要なメッセージとして伝える役割の終焉を予感している状態が起きている。
三つ目が、閣僚内の総理離れ。
かつて安倍内閣で、総理が入室しても起立しない、私語が続くなどの学級崩壊状態を幹事長が批判して逆に国民からあきられもした。このような閣僚が総理を軽んじる行動が閣議の中であらわれると要注意らしい。
上杉さんは、かつて安倍内閣、福田内閣でもこの状態になるのに半年かかったのに麻生内閣はわずか二ヶ月で到達したと、ことの重大さと異常さを強く主張する。
なるほど。もはや、暴走の果てにまたもや崩壊か。
確かに、ここ二日ほどの総理の会見の様子は変だ。テレビ報道を通してしかわからないが、精神的なダメージを表情に現すことを抑えきれない状態に陥っているように見えた。相当に、追い込まれている状態かもしれない。
あけての28日、小沢代表との党首討論が予定されている。小沢代表は、たった一言、「なぜ、二次補正予算を出さない!?」と問えば、終わりだ。
あとは、麻生総理が何を言おうと、ずるずると後退していくばかり。これほど、詰め将棋でいう最後の一手を簡単に打てる場面はないと思う。
会期末を明日に控え、院内ですれ違った自民党議員と言葉を交わす。
どう?と聞くと、官軍に攻め込まれてた江戸城の中ってこんな感じなのかなって思います、との答え。そっかー、江戸城の中にいる君たちも時代の変化を感じ取っているか。
時代は変る。新しい時代を創る人たちが、こちらにも向こうにもいる。新たな創造者たちが集えば、この国はあるべき姿に向かうと信じる。
暴走の先の崩壊はそんなに先ではない。しかるべきときに、しかるべきものが担う時が来る。