少子化問題を考える

2005年10月28日 (金) ─

 有志で行なっている、クローズドな勉強会。少子化の問題について、議論が戦わされた。

 わが国の少子化は、深刻な問題として取り上げられている。私も、6人の子どもを持つ親、子育てをする世代としてこの問題は看過できないと認識している。

 わが国の出生率のトレンドを追いかけていくと、戦後の1955年ごろから2.1近傍で高度経済成長時代を推移し、まさに右肩上がりの経済成長の裏づけとなる人口維持状態が続いた。戦争直後は、出生率が3〜4だったのが急激に「家族計画」政策により2近傍にまで下がっているのは、着目すべき点でもある。

 かつて、昭和10年代に閣議決定で「多子化政策」が決議され、「生めよ増やせよ」と扇動された時代から「4人家族」が標準とばかりに「子ども二人」が政策誘導されていく過程を、我々はよく検証しなければならない。

 厚労省の方々に、80年代のバブル以降の「晩婚化」による「少子化」の現状を説明されるが、さらにひとつ、我々政治家は、「啓蒙活動」の意味を再認識すべきではないだろうか。

 政策や制度によって誘導される部分も当然否定すべきものではないが、それ以前に価値観の提示という、政治として最も重要な要素を忘れてはならない。

 その意味で、「児童手当」という政策が極めて安易なものとの批判も真摯に受け止める覚悟も必要ではないか。

 十分な検証は必要だが、ひょっとすると必要なニーズに応じた必要なサービスを提供できる市場が育成される可能性のある「保険制度」なりも考えてみる価値はあるのかもしれない。批判を恐れずに言えば、「子育て保険」等も発想の一つだ。

 などなど、極めておもしろい議論だった。引き続きしっかりと検証していきたい。

 しかし、一方で公式統計で年間30万人超とも言われる中絶数は世界でも「中絶王国」と称されるほどの数である、との報告を聞くと、また違った価値観の啓蒙も必要とされるような気がしてしまうのである。

少子化問題を考える