二人暮らし

2008年4月20日 (日) ─

 長女が4月から東京の大学へ通うようになり、宿舎で同居となった。

 今まで気楽な単身赴任の一人暮らし。なんとなく勝手が違うし、掃除しなさい、部屋片付けなさい、反面、同居人の親として注意しなければならないことが発生し少々戸惑い気味。

 反面、出掛けには「お父さん、今日は遅いの?」と帰宅時間を確認されるようになり、窮屈なような、チョッと気にしてくれる人がいる安堵感のような、微妙な気分。

 そういえば、ヒロコと結婚した当初はよく聞かれた気がするけど最近耳にしたことなかったな、何時に帰るの?なんて。

 この長女との二人暮らしには、母親のヒロコから僕に厳命が下った。
「いい、お父さん!、女の子が大人になって結婚するまでの大切な時期なんだから、だらしないことさせないでよ!。わかってる!?」

 ヘッ?、そーんな、難しいこと言われても、わかんない!!!

 ヒロコいわく、結婚して他人との生活を始めるための最低限のしつけをきちっと身に付けさせないと後々困るのだという。「今さら言っても、遅いんじゃないの?」とボソッと言うと、睨まれたので思わず黙った。

 フーン、難しいんだね、女性は。

 ということで少しは気にして掃除、洗濯、炊事と口を出すようにした。だけど、僕自身、自分のこともちゃんとできてないのに説得力ないけどなぁ。

 毎週、生活費を決して余裕を持たないように渡すことにした。その中で、お昼は残り物を弁当にしたり作り置きのおかずで食べ回したりなどの工夫で娘にはやりくりを覚えさせる。二人分の食事を作るのも一人分もあまり変わらないから、アンタも家で食べなさいとヒロコから言い渡される。「へーい。」

 それで、朝メシは長女の作ったものを食べて出て行くようになった。

 早朝のジムから帰ってみると、朝食が皿に盛られて置いてある。かたわらのトーストのパンが黒焦げになっていた。「何だこれー!」と言いながら、『焦がしてしまってゴメンナサイ』」のメモを見つける。

 「しょうがないなー」と少し冷めてしまったパンをかじる。

 焦げてはいたけれど、一人暮らしの食事のほろ苦さと違う味がした。

二人暮らし