まっすぐひたむき訪中記(その6)

2005年11月21日 (月) ─

 瀋陽市の張書記は、更なる企業の誘致を強く求めていたが知り合いの日本企業経営者から、当局からの要求は何かと厳しいとぼやきも聞いていた。

 いずれにしろ、海外での事業展開はリスクがつきものだが、昨日の航天三菱自動車エンジンの皆さんは、「いやぁ、こちらの生活は快適ですよ。」と明るかった。どんな環境でも、生産現場の士気を高めかつ製造技術の精緻化をはかる日本企業の姿勢は素晴らしい。世界に負けない技術立国の意地が垣間見える。

 更なる瀋陽市の発展と日本企業の皆さんのがんばりを祈って、瀋陽を早朝出発、北京へ。

 最初に泊まった釣魚台ホテルで、在中の日本マスコミの記者の皆さんとの懇談会。

 日中問題に関するオーバーオールな意見交換ということだったが、中国の外交政策というか、外交姿勢のようなものへの評価が面白かった。

 中国の常務委員は9名。中国はこの9名がフルに活動して、世界中に外交的アプローチを図っている。主席や総理、副総理といった肩書きでそれぞれが、国賓としての諸外国首脳部との外交交渉を精力的に行っている。アフリカは小国ももらさずに、またヨーロッパも全域に常務委員クラスで大変な訪問実績を重ねている。極めて、戦略的な全世界外交を展開しているのである。

 しかし、一方で日本はどうか。

 総理が動くのはなかなかに重たい。では、誰かとなると外相ぐらいになってしまう。

 これでは、使えるコマが少なすぎるのである。この違いは、外交戦略の問題でもある。外交戦略の有無や、あるいは巧拙、是非、とさまざまに議論されてしかるべきだが、確かに政府首脳はかたくなに日本国内に押しとどまっている感じは、ある。

 やはり、「島国根性」から抜けきれない外交、と在外記者たちから客観的に言われても仕方ないかもしれない。大いに考えさせられる部分でもある。

 記者懇終えて、再度北京空港へ。昼食はスタバ(スターバックス)でコーヒーとなんか適当に軽いもので、と思っていたのだが、ここでも空港内の中華レストランでフルコース。

 もういいよー、とか言いながら、それでも、うまいもんだから散々食って、「文句言いながら、一番食べてる!。」と団員から指摘を受ける。

 そうだよー、だってうまいもん!、と超開き直りで今訪中で8回目の中華フルコースをいただく。後は、飛行機乗って帰るだけ。ツムツムと、飲んで帰るか、とばかりにワインにビールに。

 いやぁー、まぶちの「まっすぐひたむき」は、どうも最初から最後まで「食」に向けられてしまったようだ。

 団長、すんません。

まっすぐひたむき訪中記(その6)