85円と1000億円

2009年12月23日 (水) ─

 ご子息の遺影の前で、気丈な友の姿にさらに言葉もなく、ヒロコと二人沈痛な面持ちで辞去する。

 無一文(85円か!?)の僕に強気に出ていたさっきとは打って変わって涙するヒロコに、友と家族同士で旅行した時の思い出話などしても何の慰めにもならないのは、よく、わかっている。悲しみを紛らわそうとして、冗舌だった自分を反省する。

 新幹線に飛び乗って、上京。

 85円と1000億円の話は、その後どうなりましたか?、とリアルタイムな応答を求めるメールに驚きながら、何とかなりました!との答えじゃ許してもらえんわなぁ...。

 ま、85円の方はどってことない話なんだけど、1000億円、いや元い、国交省概算要求予算6兆2000億円がどうなるかはとてつもなく大事な話。

 まだ、現場の作業は続いている。予算全体の最終の絵姿は、財務では見えているかもしれないが現場の府省では正直自分のところしかわからない。それも、まだ最終確定には至らないところもあり、緊張が続く。

 今週中に、との報道もあり、とにかく全力で作業を急ぐ。

 そういえばクリスマスなんだな、と少しだけ霞ヶ関、永田町を離れて地方に行き、道行く人たちを見て感じた。

 世の中は間違いなく、日々懸命に暮らす人々の家族の生活を中心にして動いている。

 財布の中の小銭の方が、何兆、何千億という話よりもどれほど切実な話か、ということを忘れてはならない。大きなお金を動かすことの責任の重さを、忘れてはならない。この国に生きる、家族の息遣いを感じ取ることを忘れてはならない。

 もう、だいぶ昔のように思えてしまう、小さな子どもたちと、クリスマスケーキを囲んで、ろうそくを吹き消してたころを無性に懐かしく、想う...。

85円と1000億円