第766号 「退位」問題の本質

2016年12月3日 (土) ─

 先月30日、天皇陛下の生前退位などを検討する政府の有識者会議が、専門家ヒアリングを終えました。
 
◆天皇陛下の問いかけ
 陛下は8月に象徴としての務めについて「おことば」を発せられました。

 即位以来続けてきた、全国を回り、国民と触れ合う公務を、陛下は象徴天皇としての重要な務めであると位置づけています。

 「おことば」をひもとくと、陛下が、高齢などの理由でその務めを果たせなくなることは避けるべきだと考えていらっしゃることが見てとれます。

 また、陛下は、天皇に代わって公務を行う摂政を設置した場合の限界についても同時に指摘なさっています。

 つまり、「おことば」は、象徴天皇としての務めのあり方や、そのための皇位継承について、陛下から国民に投げられた「問いかけ」と考えることができます。

 憲法では、「天皇は国政に関する権能を有しない」と定めていますが、陛下は「特定の結論」を我々に押しつけているわけではなく、憲法に抵触するおそれはありません。

 むしろ、これまでお務めに真摯に向き合われた陛下の問いを誠実に議論することは、象徴天皇制の趣旨に沿うものであると考えます。

◆本質から外れた政府の議論
 それに対し、安倍総理の下に設置された有識者会議は、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」と名づけられています。 

 その中身は、ご高齢で公務を行うのが難しい場合、退位を容認するという意見と、退位は認めるべきではなく、摂政を置いて対応すれば十分という意見が拮抗するなど、単なる天皇の「公務負担の軽減」に議論が流れつつあります。

 そして、政府は今の天皇陛下に限り、例外的に退位を認める「特例法」を制定し、対応を目指す方針であるとも報じられています。

 しかし、こうした一連の動きは、務めのあり方そのものの議論とはいいがたく、陛下の問いかけから目を背けているも同然です。

 また、退位を認めない主張は、生前退位を容認する圧倒的多数の世論に反しているだけではなく、皇室の長い歴史の中で退位は普通に行われていた事実を踏まえると、伝統にもそぐわないと言えます。

◆国会で恒久的制度の議論を
 さらに問題なのは、与党内からの議論が聞こえてこないことです。

 このままでは、陛下の重い問いかけに対し、国民を代表するはずの政治が何も答えないまま、政府内の小手先の対応で議論の幕引きが行われてしまいかねません。

 民進党では、私が事務局長の「皇位検討委員会」で、識者からのヒアリングを重ね、議論をしています。

 天皇の地位を「国民の総意に基づく」と定めた憲法に則れば、国民の代表機関である国会でこそ本質的な議論が行われなければなりません。

 陛下からの問いかけに正面から向き合い、恒久的な制度の構築に向け、取り組んで参ります。(了)

 

スタッフ日記「備えあれば…」
 めっきりと寒くなり、気が付けば2016年もあと12月を残すだけとなりました。そろそろ忘年会のシーズンです。

 控えようと思っても、ついつい飲み過ぎてしまう今日この頃。空腹時にいきなりお酒を飲むと、二日酔いのリスクが上がるので事前に何か対策したいところです。

 バスケ部で強烈な酒量を誇っていた大学生の頃の私は、飲み会前に飲むヨーグルト500mlを飲み干せば、絶対に大丈夫でした。しかし、歳のせいでしょうか?最近では、一切役に立ちません。

 また、某ウコンドリンクは私には合わないらしく、酷い目に遭ったことがあるので、気が進みません。

 こんな私にもできる良い方法はないかものかと思って調べてみると、事前に胃の中にチーズを入れておくとよいらしいことがわかりました。

 チーズに多く含まれるタンパク質と脂質は消化されにくく、長時間胃に留まるためにアルコールの吸収を緩やかにしてくれるそうです。

 しかも固形物を食べることで満腹感が得られるため、飲むペースも抑えられるとのこと。

 上記のご案内の通り、12月18日(日)には、事務所主催の大忘年会を開催いたします。歓談あり、スタッフによる出し物ありのざっくばらんな会なので、ぜひお気軽にご参加下さい。

 おつまみにチーズ系のものを出してくれるようお店に交渉したいと思っているので、ぜひ「チーズ効果」もお試しください。

 私の場合は、本当に効果があるのか?どこまで大丈夫か?と散々試した挙句、結局飲み過ぎてしまうような気がしますが…。(お松)

第766号 「退位」問題の本質