第742号 消費税は引き下げよ

2016年6月4日 (土) ─

 1日、安倍総理は来年4月に予定されていた消費税率の10%への引き上げを、2019年10月まで延期することを発表しました。

◆増税延期は「当然」
 安倍総理は、昨年の国会答弁で、日本経済について「好循環は着実に回り、デフレではない状況を作り出した」、「四半世紀ぶりの良好な経済状況を達成しつつある」と「アベノミクス」を自画自賛し、消費税10%への引き上げは「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、予定通り引き上げる」と何度も述べてきました。

 しかし、日本経済の実態は安倍総理の話す成果とは程遠い状況です。消費税の8%への増税以降、景気のカギを握る個人消費は落ち込み、2014年度の実質GDPはマイナス成長に転落、15年度の推移も低調で、日銀が目標としてきた物価上昇率は達成できていません。この先を考えても、2%の増税を行える状況になるとは考えにくく、延期は当然の結果です。
 
◆そもそも増税条件が誤り
 税制をどうするかという問題は、あらかじめの結論ありきではなく、日々刻々と変化する現実の経済情勢を見ながら考え、判断するべきものです。

 こうした理由から、私は一貫して消費増税の凍結を主張し、民主党政権が消費税増税を決めた際にも、景気状況により増税の可否を判断できるよう、附則に「景気条項」を入れました。

 総理は、2年前の最初の増税延期の時、財務省の意図に従ってこの「景気条項」を削除し、その後、増税しないのは「リーマン・ショックや東日本大震災並の危機」が発生した場合に限る、という条件を設定しましたが、こうした設定をすること自体がそもそもの誤りなのです。

 先月のG7伊勢志摩サミットで総理は世界経済はリーマン・ショック前の状況と似ている、等と発言し、各国首脳との溝が露わになりましたが、これはこの条件のもとで増税延期を打ち出すために用意せざるを得なかった稚拙な言い訳とみられています。

◆消費税引き下げを訴える
 我々野党は、参院選に向け、改めて明らかになったアベノミクスの失敗を追及するだけではなく、それに代わる経済政策を打ち出さなければなりません。

 そのために必要なのは消費税の5%への引き下げです。

 消費を掘り起こすためには、低迷する原因を取り除く以外にありません。消費税を引き下げて個人消費を回復し、着実にデフレ脱却へとつなげることが重要です。

 同時に、高齢者間の再分配を含めた年金などの社会保障改革や、同一労働同一賃金などの労働市場改革を徹底して行い、経済を成長軌道に乗せてゆかなくてはなりません。

 その財源は、目的と効果を見極めた上であれば、短期的なプライマリーバランスの維持にこだわらず、一時的な赤字国債の新規発行も恐れず行い、充てるべきです。ただし、その場合にも経済効果の低い従来型の公共事業の見直し、不要な基金への積み立て停止など、徹底した行財政改革が必要なのは言うまでもありません。

 今のところ、消費税引き下げは、党内でのコンセンサスは得られていませんが、今後の経済政策を検討するにあたり、引き続き主張して参ります。(了)

 

スタッフ日記「勝手に生えるものという認識ですが…」
 最近、私の好きな欧米のプロレスラーや格闘家、ミュージシャンがヒゲを生やし出しました。それも尋常な量ではなく、最早髪の毛なのではないか?という状態です。

 ヒゲの濃さと量には自信のある私ですら、どうすればここまで伸びるのかと気になるくらいの木こり風のヒゲ面を、ほぼ同じタイミングで見たので、もしかすると流行っているのか?と思い、ネットで調べてみました。

 すると、ここ数年は英国と米国を中心に空前のヒゲブームが起き、ヒゲの植毛手術が急増、ヒゲ剃りの売上が10%程落ちるなど大変なことになっていたようです。

 現在はそのブームも終息しているとのこと。日本では今もネットの広告で、ヒゲを含め、毛が一切なくなるような石鹸の動画を頻繁に見かけ、ツルツルこそが正義のような風潮なので、そこまでブームになっているとは全然気が付かなかった…一切流行に乗れなかったなぁと残念に思いました。

 ヒゲを生やすのは、その時々の流行かと思っていましたが、「人間を含む霊長類のオスは、集団の中で過酷な競争に晒されているからこそヒゲを生やすのだ」という根源的な理由で説明をする学説が発表され、少し話題になっているようです。確かに、プロレスラー・格闘家、ミュージシャンは、常に正念場を迎えているような状況なので少し納得できます。

 馬淵事務所もこの夏、衆議院とのダブルこそなくなりましたが、参議院選挙があり、私のヒゲも大人しくなることがなさそうです。

 どんな状況になろうが、全力で頑張りますので応援よろしくお願い致します。(お松)

第742号 消費税は引き下げよ