第734号 「再処理法案」審議へ

2016年4月9日 (土) ─

 衆議院経済産業委員会で、原発の使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル」の中核である、再処理事業に関する法案(再処理法案)が審議されています。

◆核燃サイクルと再処理法案
 政府は、原発から出る使用済み核燃料の中からプルトニウムやウランを取り出して新たな核燃料として加工し、再利用する「核燃料サイクル」を推進する立場をとっています。

 電力小売り全面自由化のもとでも核燃料サイクル事業を着実に実施できるよう、認可法人を設立し、発電事業者に再処理のための事業資金を拠出させる仕組みが今回の「再処理法案」です。

 私は、見通しを持たない核燃料サイクルの推進には極めて慎重であるべきだと考えています。

 資源に乏しい我が国において、核燃料サイクルは「夢のエネルギー政策」とされ、これまで莫大な資金と時間が投じられてきました。しかし、いまだにほとんど機能していないのが現実です。また、使うあてのない余剰プルトニウムが蓄積されるため、核不拡散という点からも懸念があります。

 現に、中核施設である青森県六ヶ所村の再処理施設は、昨年11月、完成が2018年度上期に延期になると発表されました。実に23回目の延期ですが、これにより、膨らむ建設費は、MOX(プルトニウム・ウラン混合化合物)燃料工場と合わせ2兆4000億円にものぼるという可能性が指摘されています。

 また、再処理した燃料を用いる福井県の高速増殖炉「もんじゅ」にも、1兆円以上の資金が投入されていますが、稼働のメドは立っていません。

◆法案修正を求める
 核燃料サイクル政策を継続するか、それとも撤退するかというのは、我が国のエネルギー政策の根本に関わる問題です。また、立地自治体や関係者との合意形成を慎重に図るため、検討には一定の時間をかけなくてはなりません。

 核燃料サイクル以外の使用済み核燃料の処理には、再処理せず、直接、地中深くに埋設する「直接処分」という方法もありますが、まだ研究開発の段階で、法整備も行われていないため、現実的ではありません。

 野党という立場では、こうした状況で、ただ単に法案に反対するだけでは、数の論理で跳ね返されてしまいます。つまり、方法を考えなければ、核燃料サイクルの固定化につながりかねない今回の政府案がそのまま可決されてしまうのです。 
 そこで民進党は
①核燃料サイクルの撤退も含めた 政策の「柔軟性」
②「余剰プルトニウムを持たない」と いう原則をきちんと守るた めの仕組み
以上の2点を法案修正もしくは附帯決議に盛り込むことを条件に、この「再処理法案」に(条件付きで)賛成するというスタンスを取るのが現実的であると私は考えます。

 私は、これによって核燃料サイクルが固定化されるわけではなく、法の見直しもあり得ることや、余剰プルトニウムを持つような計画を認可法人が作成した場合、政府は事業認可を出さないことなどを政府に確認した上で、法の見直し期間を短縮するなど、必要な対応を求めて参ります。(了)

 

スタッフ日記 「これからは気をつけよう!
 ずいぶん前、ポスターの貼り替えのため車に乗り、2人1組で移動していた時のことです。 トイレに行きたくなったので、コンビニで休憩をすることにしました。

 用を足した後、缶コーヒーを2本ほど買い込んで、乗ってきた軽乗用車に戻りました。

 …の、はずでした。

 当たり前のように助手席のドアを開けてシートに座り、買ってきたコーヒーを運転手に手渡そうとすると何だか変です。

 アレっと思ってよく見ると、見たことのない男性が目を見開いてのけぞっています。

 混乱した頭が事態を理解するまでの数秒間、まるで時間が止まったようで、私にはもっと長い時間に思えました。

 しかし、今思えば本当に驚いて、困惑していたのは急に見知らぬ人に車に乗ってこられたその男性のほうだったに違いありません!しかも私は、缶コーヒーを差し出しているのです。

 「すみません!」私はすぐに頭を下げて車から飛び降りました。そして車の外からもう一度「すみません!」と謝ると、大急ぎで今度は車をちゃんと確認して乗り込みました。

 一部始終を見ていた同乗者の人は大笑いをしていましたが、彼にコーヒーを渡し、一息つくと、自分でも思わず笑ってしまいました。

 私は子どもの頃から同じようなことをしでかしてきました。今でもそうです。よく注意すれば直るはずなのに全然改善の見込みがありません。

 時々この話をして人を笑わせながら、何とかこの性格、直らないものかなあ、と思っています。(チュウ)

第734号 「再処理法案」審議へ