第732号 「保育園落ちた」に応える
「保育園落ちた」という、ひとりの母親の切実な声をつづった匿名ブログをわが党の山尾志桜里議員が質疑で取り上げたことをきっかけに、国会では「待機児童」問題など、子育て支援についての激しい議論が行われています。
◆後手にまわる保育所政策
「待機児童」とは、認可保育施設への入所申請を行っており、条件を満たしているにもかかわらず、定員超過などの理由で入所できない児童のことです。
厚労省の昨年4月の調査では全国で約2万3千人いるとされていますが、ここには希望した施設に入れなくて諦めてしまった人や、認可外施設に入った児童は含まれていません。こうした「隠れ待機児童」は少なくとも全国で4万9千人にのぼるとみられています。
現在、子育て世代の多くが共働きです。また、核家族化も進んでいるため、子どもを安心して預けられる施設の整備は、子育て支援・少子化対策としてとても重要です。
しかし、政府の対策は後手に回っており、保育所だけではなく、保育士の不足も深刻な状態です。
保育士不足を生み出しているのは、その待遇の悪さに他なりません。保育士の平均給与は全産業平均より月額で約9万円も低く、生活の苦しさから離職を選ぶ方が数多くいらっしゃいます。こうした状況への緊急対策として、民主党は保育士の給与を月額5 万円引き上げる「保育士等処遇改善法案」の今国会への提出を決めました。
◆子育て支援は最優先課題
政府の子育て支援に対する態度は大変に消極的です。
一例としてあげられるのは、一人親家庭に支給される児童扶養手当です。
わが国では、子どものおよそ6人に1人が貧困状態にあり、進学を断念せざるを得ない学生もあとを絶ちません。
特に一人親家庭の相対的貧困率は、先進国の中でも最悪の水準です。
政府は、児童扶養手当の支給年齢を今まで通りの「18歳になった年度末まで」にすえ置き、多子加算額も年収に応じて増減するなどの改正案を示していますが、これでは貧困の連鎖を食い止めることはできません。
必要なのは、経済的効果が小さいと考えられる高齢者への一律給付金などの見直しを行って財源を確保し、未来を担う子どもを援助する政策です。
民主党は対案として、児童手当の支給対象を20歳未満の学生などへ拡大し、収入に関係なく一律に多子加算を行うことなどを盛り込んだ法案を提出しました。
また、単に支給金を増やすだけではなく、共働きの社会が進展する中で、子どもを産む世代の夫婦の生活全体をサポートする形での地道な支援も必要です。
残業規制を見直して夫婦が子どもと過ごせる時間を増やす、男性の出産休暇取得の奨励・サポート、子どもが一定の年齢に成長するまで、男女とも今より少ない労働時間で働ける制度の創設など、やるべきことはたくさんあります。
子育て支援は待ったなしの問題です。今後、民進党としても最優先課題として全力で取り組み、切実な声に応えて参ります。(了)
スタッフ日記 「桜前線異状あり。」
桜の季節になりました。
季節の移り変わりへの感慨などあまり持たない私ですが、春の初めに桜が咲くと、なんだかくすぐったいような、甘酸っぱいような、少し心の浮き立つ感じがしてきます。
古典でも「花=桜」とするものがたくさんあるくらい、日本人にとって桜は特別な存在ですが、近頃は外国人観光客にも人気が出てきているのだそうです。
その話題を伝えていたニュースによると、純粋に桜を見るだけではなく、お花見(お酒を飲むタイプの)を第一目的として訪日する方もいるようで、そうした方々を誘致するため、日本政府観光局が各地の桜開花予想マップを作ってネットで公開しているとのことでした。
その地図がテレビに大写しになったとき、「おや?」と思いました。「Nara(奈良)」の文字が見当たらないのです。実際に検索もしてみましたが、大阪や京都の名はあるものの、やっぱり奈良は載っていません。
これはどうしたことでしょう。桜の名所といえばまずは吉野だと思っていました。
そもそも「桜」と言うときに多くの方が想像するソメイヨシノの「ヨシノ」は吉野のことです。また、そのソメイヨシノこそがまさに、「開花宣言」の基準となっていることを考えると、開花マップ中に「Nara」がないのは衝撃でした。
国会事務所にも県や吉野町から頂いた桜のポスターを貼っており、それを見て「吉野の桜だねえ」と目を細めて下さる方も少なくありません。しかし、もしかしたらもっとPRの余地があるのかもしれません。微力ながら何かできることがないかと考え中です。(シズ)