第728号 されど、対案!
民主党と維新の党は18日、昨年成立の集団的自衛権行使容認を柱とする安保関連法への対案となる法案を共同提出し、19日には野党5党で、政府の安保関連法を廃止する法案を提出しました。
◆現実主義の「対案」
民主・維新が提出した法案は、民主党の安保政策の基本理念である「専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」という考え方に基づくもので、政府の安保法と異なり、憲法との整合性に配慮しつつ、安全保障環境の変化に対応するものです。
具体的には以下の3法案で構成されています。
①「領域警備法案」
離島など我が国の領域で、武力攻撃に至らない、いわゆる「グレーゾーン事態」が生じた時、海上保安庁などの警察機関や自衛隊が適切な役割分担のもと、迅速な対応をとれるようにする
②「周辺事態法改正案」
安倍政権の安保法制が周辺事態法から「周辺」の概念をなくしたのに対し、「周辺」の概念を堅持し、自衛隊の海外での活動に歯止めをかける
③「PKO法改正案」
武装解除・動員解除・社会復帰や、治安部門改革を行うこと、さらにPKO活動に従事する文民等からの緊急の要請を受けたとき自衛隊が「文民等保護措置」を行うこと等を定める
また、安保法廃止法案は、昨年強行採決され、憲法違反の疑いのある安倍政権の安保法を白紙に戻すものです。
◆対案路線で争点を設定する
昨年の安保法制をめぐる与野党攻防の際に、私は対案提出路線で臨むべきであると主張してきました。しかし党内の議論はまとまらず、十分に対案を提示できないまま、強行採決によって政府法案は成立してしまいました。
こうした流れを受け、政府の法案に不安を覚えながらも、我が国の防衛の在り方を示せない野党側の姿勢にも疑問をもつ国民は少なくなかったようです。その証拠に、法案審議中、安倍政権の支持率が一時低下しましたが、野党の支持率は上昇しませんでした。今回、対案を提出できたことで、ようやく我々も我が国の防衛について、選択肢を国民に提示することができました。
政府は安保法を来月にも施行する方針ですが、そもそも臨時国会を見送ったことで、成立後十分な検証は行われていません。今回の対案提出により、我々は国会の場で再び「安保」を争点としていきます。
今回の法案は、憲法や歴代政府の見解と整合性を保ちながら新しい時代の動きにも対応した、現実的なものであると自信を持っています。私個人としては、上記に加えて、ミサイル防衛について定める法案、自衛隊の在り方や防衛の基本的考え方を定めた上位法としての安全保障基本法も必要だと考えています。
現在、民主党と維新の党との合併や、新党結成の話が出ていますが、まずは、民主党として政府与党と対峙できる政策を打ち出し、国民に提示しなければなりません。
今回提出した法案の意義と実効性を積極的に説明し、参院選、そして今年中にも想定される衆院選の争点として、提示していきます。(了)
スタッフ日記「ひとめぼれ」
2月からインターンとしてお世話になっている大学生です。
小3の夏休み、ある1人のお姉さんと出会いました。旅行先で同じ旅館に泊まっていた高校のバレーボール部のOBで、合宿の指導に来ていたのでした。その姿は明るく爽やかで、ひときわ輝いていました。お姉さんは練習が一段落すると私のもとに来て優しく話しかけてくれて、住所を交換し、文通をすることになりました。
文通は私が中学生になったあたりまで続き、その後は長らく途絶えていましたが、昨年3月に大掃除をした際、お姉さんからの手紙を見つけて急に懐かしくなり、届くかどうかわからないながら、衝動的に手紙を出しました。
幸いにもすぐに返事が来て、お姉さんは結婚を機に引っ越しをし、今は近くに住んでいることが分かり、再会できることとなりました。
10年ぶりの再会にもかかわらず、お姉さんは当時と同じように優しく、10年間で起きた結婚や出産について話してくれたり、10年前の私とお姉さんとの写真を見せてくれたりと、楽しい再会となりました。
別れ際に、お姉さんは写真を撮って、10年前の写真と並べて送ってくれました。月日の経過だけではなく、息子さんが写真に加わっていることはとても感慨深かったです。
また、お姉さんから「久々に連絡をしてくれたからこそ、こんなに楽しい時間をすごせたんだよ、本当にありがとう」と言われて嬉しさのあまり泣きそうになりました。
なによりも、一度しか会ったことはなくともお姉さんのことを好きだという気持ちを忘れないでいて本当によかったと思いました。(トトロ)