第713号 大阪W選挙を考える

2015年11月14日 (土) ─

 5日に大阪府知事選が、8日には大阪市長選がそれぞれ告示され、22日に同時に投開票が行われます。事実上、「おおさか維新の会」公認の松井一郎候補、吉村洋文候補と、「非維新」を掲げる栗原貴子候補、柳本顕候補の一騎打ちとなっています。

◆選挙の争点は
 今回のダブル選挙最大の争点は、大阪経済の立て直しです。 大阪では長期的な経済低迷が続いています。例えば府民の所得は減少しており、大阪市の生活保護率はここ10年で急上昇しています。1000人あたり約55人というのは、政令指定都市で最も高いだけではなく、全国平均の3倍以上の水準です。

 また、企業活動を見ても、近年、大阪府から転出した企業が、転入した企業の数を大幅に上回る傾向が続いています。このような状況を考えると、大阪の行政に真っ先に求められるのは実効的な経済政策です。

 これに対し、大阪都構想は今年5月の大阪市住民投票で否決され、民意が示されたばかりの政策です。従って、都構想の内容に大きな変化が無いままの状態で、その是非を問うことは今回の選挙において妥当ではありません。制度論に終始する議論よりも、具体的な、大阪府民・市民の生活の向上のための政策議論を展開すべきです。

◆実効的な経済政策を
 大阪経済が低迷を続ける原因の1つとしては、これまで維新の府市政が採ってきた公共事業や市民サービスを削減する緊縮財政政策が挙げられます。

 赤字の削減や、財政の均衡は重要ですが、不況下での過度な緊縮路線は、更なる景気の悪化と税収減を招きます。特に大阪は中小企業が多く、大企業を中心とする景気回復の影響が浸透しづらいので、中長期の経済戦略を描きつつ、景気が回復するまでの過渡的な措置として、行政による経済支援を積極的に行う必要があります。

 その点で、中小企業への積極的な支援を打ち出している栗原候補、中小企業庁の大阪への誘致や経済対策のためのインフラ整備に一定の予算を付けることを主張している柳本候補が、緊縮財政路線を維持するとする維新の2候補よりも、より現実的な政策を提示していると言えます。

 また、二重行政の解消についても、栗原候補は、大阪府・市と堺市の首長、議員でつくる大阪戦略調整会議(大阪会議)の活用を掲げ、柳本候補は市の権限を住民に近い区に委譲する「総合区」制度を西成区等に導入し、行政改革を行うとしていますが、これらは都構想よりも現実的な行政連携になり得る政策と言えます。

◆関西経済も見据えて
 大阪経済の立て直しは、奈良県をはじめ関西経済全体にとって重要な課題です。東京一極集中の是正と関西の発展のためにも、大阪の特色である中小企業を中心とした強い経済を作り、リニアの大阪延伸推進など未来への投資も同時並行していかなければなりません。

 そのためには議会や行政、市民が敵味方に分断され、互いが互いを非難しあうような政治状況に終止符を打つ必要があります。対話と協調の下に穏健で現実的な改革を進めていく大阪府知事・大阪市長の誕生を望みます。(了)

スタッフ日記 「一語一会」デビュー!
 11月7日に第8回「一語一会」を開催しました。今回は元Jリーガーで現在は奈良クラブのゼネラルマネージャー(GM)、矢部次郎さんと代議士とのトークショーでした。

 私が初めて参加した一語一会は、徹子ならぬ「澄夫の部屋」といった様子でした。あまり馴染みのないサッカーの世界でしたが、これは!と思う話が盛りだくさんで思わず身を乗り出して聞いてしまいました。

 実は私も計画の段階から立ち会い、大丈夫かぁ?と思う事が少なからずありました。が、さすがまぶち事務所、本番にすごく強かったです。手前味噌ですが素人目から見ても良かったです。

 今はGMという立場の矢部さんは、奈良クラブ~人生の深いところまでをじっくりと語って下さり、普段なかなか聞けない話も多く興味深かったです。奈良をこよなく愛し、盛り上げようという熱い気持ちが伝わりました。また、話し方も実直で、サッカーにまっすぐな生き方と重なり、ファンになりました。この勢いで奈良クラブを応援していきたいです。

 印象的だったのは、ユニフォームとエンブレム、あと、爽やかなやべっちスマイルでした。唐草模様のユニフォーム、意外と素敵でした。エンブレムはあのくまモンと兄弟らしいです。どちらも近いうちにテレビで観られることでしょう。Jリーグの舞台で「奈良」という文字を早く見たい、そして奈良にとってなくてはならない強い存在になればいいなと思います。

 最後に頂いたアンケートを見てもご来場の皆さんの心に響いたようでした。矢部さん、本当にいいお話をありがとうございました。

 次回の「澄夫の部屋」乞うご期待です。是非皆さんいらして下さいね!(葉っぱちゃん)

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