第605号 決定 2020年東京五輪 

2013年9月14日 (土) ─

 国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催が決まりました。

◆これまでの招致活動 
 IOC総会でのプレゼンの影には、様々な関係者によるこれまでの招致活動の積み重ねがありました。東京五輪の招致活動は、民主党政権下の2011年9月から始まり、12月に招致に関する国会決議、閣議了解を行いました。その後、今回のいわば予選にあたる昨年5月のIOC理事会において、立候補都市が5都市から3都市に絞られる中、東京の選出に成功し、昨年7月のロンドン五輪では、当時の平野文科大臣が現地へ赴き、各国政府代表やスポーツ関係者と会い、国際的なPR活動を行いました。 

 また、立候補にあたっては、赤字になった場合の政府による補填の保証(財政保証)やその他様々な政府保証が必要となりますが、今回の招致にあたっては、野田内閣がそれらの調整を担い、政府として東京開催をバックアップする態勢を整えました。東京都をはじめ多くの関係者と連携し、民主党政権で1年4か月、招致活動を進めてきただけに、東京開催が決まったことには感慨を覚えるとともに、関係各位のご努力に心より敬意を表したいと思います。

◆安倍総理の発言について 
 五輪招致が成功したことは当然喜ばしいことです。しかし、IOC総会での安倍総理の原発事故に関する発言については疑問を持たざるを得ません。 

 安倍総理は、「原発事故について、状況はコントロールされている」、「事故が東京に影響を与えたことはない」とプレゼンで断言しました。しかし、今週福島に足を運び関係者と意見交換を行いましたが、現実を見ると、毎日25mプール約1杯分にあたる量の汚染水が新たに発生し、海への流出が続いている状況で、また原子炉内部の正確な状況も分からない中、「コントロールされている」とはとても言えない状況です。また、事故後、東京都の浄水場の水道水から、基準値の約2倍の放射性ヨウ素が検出されたこともありました。「東京に影響を与えたことはない」というのは事実誤認です。 

 総理の発言は、国際社会へのアピールとしての「決意表明」として私自身は受け止めていますが、国際社会における国家リーダーの発言への受け止め方は、国内以上にシビアであり、今後、国際社会が安倍政権の原発事故対応に厳しい視線を向けることは容易に想像できます。

◆2020年五輪開催の意味 
 五輪開催が決まり、日本は2020年に向け、原発問題にとどまらず、様々な面で国際社会の注目を浴びることになります。特に国際的に見ても急速に進む高齢化と財政健全化については、日本の対応を世界が注視することになります。2020年頃には、1人の高齢者を約2人の現役世代で支える超高齢社会が到来し、社会保障費が増える中、国際公約の「2020年度までの基礎的財政収支の黒字化」という財政健全化目標を達成しなければなりません。この7年は、五輪への準備というだけでなく、日本が原発問題、社会保障制度改革、財政健全化、そして経済再生という、今後の日本の将来を決する課題に取り組む7年となります。私も改めて自らに喝を入れ、国会でこれらの課題に取り組みます。(了)

 

スタッフ日記「挑戦する気持ち」 
 8月から奈良事務所でインターンさせて頂いている大学生です。私は話すのが苦手なのですが、そのような自分を変えるためにも克服に向けた取り組みに挑戦しています。 

 私は大学の関係で大阪府の茨木市の10年後の未来像を考えるまちづくり市民ワークショップに参加しています。これは市の職員や老若男女を問わず、市をより良くしたいと思っている市民の方々約80名で月1回ほど開催している会です。 

 多くの市民の皆さんと対話をしたり、レポートを発表したりしていると、例えば大きな総合病院がないことなど、自分は茨木について、生活に密着した部分ですら知らないんだなぁ、と実感させられます。 
私自身は地元が茨木というわけではなく、加えてまだまだ勉強不足な面もあり、うまくいかないこともたまにあります。ただ、たとえそうであっても、いろんな世代の方と話ができるのは人見知りを克服したい自分にとって非常に貴重な機会となっています。 

 今回のインターンでも人の話を聞く機会が多くあります。特に代議士の話は本質を見極めた非常に価値のあることばかりです。高い倫理観を持ち、弱音を吐かない代議士の言葉は魅力的です。もちろん話を聞くだけではなく、現場を知ることの大切さも教わりました。 

 自分にとってプラスとなることは自分から挑戦しないと何も得られません。だから私はこれからもボランティア活動など社会貢献に挑戦していきます。何かやらないで後悔するくらいなら、何かをやったほうがいいと私は強く思います。これらの経験と出会いを糧にして失敗を恐れずに取り組んでいきます。(わーくん)

第605号 決定 2020年東京五輪