第578号 予算組み替え動議提出 

2013年2月23日 (土) ─

 14日、衆議院での2012年度補正予算案採決に先立ち、民主党は、補正予算案組み替え動議を提出しました。財政規律や公共事業の内容等に問題があるとして、緊急に必要かつ年度内執行が可能な公共事業は執行する一方で、それに当てはまらない新規公共事業を削除することなどにより、歳出を1兆9000億円程度減らした内容です。

◆政府提出補正予算の問題点 
 第一に、仮に補正予算が3月中に成立したとしても、年度末まで残り1か月であり、補正予算に計上されている約5兆円の公共事業の年度内執行は極めて困難です。これは、年度内執行を前提とする補正予算の原則に反しています。  

 また、補正予算は、財政法により、年度途中で「特に緊要となった経費の支出」でなければ編成できません。それにもかかわらず、今回の補正予算には、恒久的な体制の整備、効果検証事業等、緊急性や効果が明確ではなく、本来、来年度予算で実施すべきものが含まれています。 

 短時間で審議する補正予算は、国会が十分なチェック機能を果たすことが難しいため、真に緊急性が認められる事業以外は、本予算に計上し、十分な審議期間を確保すべきです。復興予算で無駄な事業を国会がチェックできなかったことからの反省を踏まえるべきです。 

 第二に、補正予算に計上されている過大な公共事業の執行が、人件費、資材費の高騰、人手不足を招き、東日本大震災被災地の復旧・復興の障害となりかねないという問題があります。既に、被災地では、建物や道路建設に必要な生コンクリートなどの建築資材は、地域によって震災前より3~4割値上がりしています。また、被災地の建設会社の64%が人手不足を訴えているとの調査結果がある等、必要な建設作業員の人手不足も深刻です。 

 第三に、補正予算で巨額の国債発行を実施することで、来年度当初予算の国債発行額を実態より小さくしているという問題があります。政府は、来年度当初予算で国債収入が税収を上回る異常な状態を解消したと説明していますが、実態は、今年度補正予算と来年度予算を合わせた「15か月予算」で見ると、国債発行額は急増しており、財政規律の観点、さらには国民への説明・透明性の観点から問題があります。

◆責任野党として対案を示す 
 組み替え動議は否決され、民主党は、14日の衆院本会議で、補正予算案に反対しました。しかし、問題がある予算案を単なる反対ではなく、具体的な項目を示して組み替えの対案を提出したことは、責任野党として意味のある行動であったと考えます。 

 民主党は、野田政権当時に補正予算の必要性を主張していました。当時、政権として、「エネルギー・環境」「医療」「農林漁業」の重点3分野を定めた成長戦略を策定していましたが、安倍政権は、未だ経済再生のための道筋を示さないまま、将来の経済成長に繋がるか否か効果が判然としない公共事業を計上しています。今後、来年度予算案の審議が始まりますが、財政規律や経済再生の観点から対案を示しつつ、「創造的野党」として国会審議において役割を果たしていきます。(了)

 

スタッフ日記「唯一の長所」 
 私はサッカーが大変好きなのですが、あるサッカーのトーク番組を見ていて共感できた話がありました。 

 日本と海外のサッカーの指導方法の違いについての内容で、日本では、バランス重視で短所をなくすよう指導するのに対し、外国ではひたすら長所を伸ばすように指導をしているとのことでした。 

 確かに日本人の選手は、短所は特になく、バランスは取れているものの、何だか中途半端な選手が多く、海外に行ってもすぐに日本に戻ってくることが多いです。また、チームに関して言うならば、短所はあっても11人の唯一の長所がまとまった方が、そつなくまとまったチームより私には魅力的かつ強いように思われます。 

 サッカーにかかわらず、1人の人間としても特別な長所、才能がある人はきっと魅力的です。日本では出る杭は打たれてしまいがちに感じますが、長所や才能がつまれるということは個性を消してしまうということです。どちらがいいというのはそれぞれの国の事情や考えがあるので決めるのは難しいですが、私は短所はあってもいいから唯一の長所を存分に伸ばしていくべきだと思います。 

 自分だけの特別なものを磨かなければ、この広い世界で埋もれてしまうのではないかという危機感が私にはあります。そうは言っても、正直自分の長所が何なのかあまり理解できていませんし、あるのかもわかりません。 

 まずは、それが何かを見つけ、時間の猶予がある大学生のうちに最大限に伸ばしていきたいです。社会に出たらそれが自信につながり、何か特別なことができるのではないかと思っています。(鬼龍院花雄)

第578号 予算組み替え動議提出