第515号 沖縄視察
去る12日から14日まで沖縄視察に行き、本島で3日間活動を行ってきました。この沖縄訪問には2つの目的がありました。今年の1月退任となった沖縄担当大臣として、期限切れとなり新たな法制定が必要な沖縄振興特措法に基づく新たな沖縄のあり方について、大臣時代には叶わなかった、ひざを交えてざっくばらんに現場の生の声を伺うことが1つ。そして、もう1つは大臣時代に10年ぶりに沖縄予算を増額編成したのですが、その後の一括交付金のあり方について真に必要なものは何かを自らの目で見て感じて、方向性を見据えたいというものでした。
◆大規模開発による振興計画
那覇到着後、すぐに地元の玉城デニー代議士と共に沖縄市泡瀬の東部海浜開発地域を訪れました。泡瀬地区は住民訴訟により、サンゴ礁の埋め立て事業への公金支出差し止め判決が出て事業が2年間凍結されてきましたが、その後土地利用計画が固まり、工事が再開したばかりです。東門沖縄市長からは、埋立地について希少種の保存も含めた良好な海浜地域としてスポーツコンベンション、ホテル、商業地域とビーチを造成する計画の説明を受けました。隣接する特別自由貿易地域の中城湾港開発も併せて視察しましたが、工事の遅れによりせっかく入域したメーカーが県外に出てしまうなどの開発の遅れが事業の拡大展開の足かせとなっています。翌日には、沖縄市の隣の北谷町のアメリカンビレッジと、継続している海浜開発地域、加えてその隣の北中城村の米軍ゴルフ場跡地利用の状況もそれぞれ首長からの陳情も含めて説明を受けました。どちらも米軍基地の返還跡地利用で、その規模の大きさから大規模店舗の複合施設、ホテルリゾートの複合体という過去の成功事例を踏襲するものとなりがちで、供給過剰構造に陥る危険性を正直感じました。
◆鉄軌道計画と観光振興
また、豊見城市長と共に鉄道ワークショップに参加し意見を述べてきました。沖縄には鉄道がなく、南北を結ぶ主要幹線としての鉄道整備への期待が高まっています。しかし、当然、採算性も考慮する必要があり、今後の課題として鉄軌道や路面電車などの組み合わせにより地域に見合った公共交通体系を考えていかなければなりません。
昨年出会った琉球大学観光学科の学生との意見交換会も実現し、沖縄の魅力とその魅力度を引き立てる観光政策は何かと言う議論と同時に、基地負担軽減、振興策実現という沖縄県民の生活に関わる課題とのバランスの取り方が、非常に大きな課題だという議論をしました。これはわが奈良県でも同じことが言えます。
沖縄の風土と人による癒しと美しい自然環境を観光の核となる競争力とするには、利便性や本土との格差解消をどこかで抑制しなければならないかもしれません。いずれにしても、真の自立とはこのように、市民が「何を受け入れ、何を捨て去るのか選択すること」なのではないかと、改めて想いを強くしました。もちろん、激しい戦禍に見舞われたこと、さらに戦後の長きにわたって占領下に置かれ、復帰後も基地負担を強いられていることを私達は忘れてはなりません。新たな沖縄の出発がこうした過去を乗り越えて、より良いものとなるよう、私も全力を尽くしてゆこうと思います。(了)
スタッフ日記「最初の頃は全身筋肉痛でした。」
奈良市を車で走ったり、歩いたりしていると代議士のポスターが掲示されているのをよくご覧になるかと思います。本当に沢山の方々のご協力により掲示させていただいていますので、大変感謝しております。
さて、そのポスターなのですがかなり退色し、一部では剥がれるものもでてきました。非常に強力な粘着テープで広報板に接着しているとはいえ、風雨等による劣化で場合によっては完全にはがれてご迷惑をかけているケースもあり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。現在、同じデザインの新しいポスターに取り替える作業に注力していまして、ようやく終盤に入っています。
広報板からポスターを剥がすと、ほとんどの場合、板にテープが残った状態になるので、ペンキ等を剥がすスクレーパーでこそぎ落とす作業が必要になります。中には全体重をかけて思いっ切り力を入れなければならない板もあり、勢い余ってドブにダイブしそうになったり、片手で体重を支えながら板を擦りまくって筋肉の限界に挑んだりしています。また、壁に直接板を貼らせていただいているところは、ガシガシと激しく擦っているとかなりの高確率でヤモリが飛び出てきます。たまに、見たこともない奇妙な虫が這い出してくるので驚いて足場から落ちそうになったりしています。
スクレーパー片手に壁やフェンスによじ登りながら必死にポスターを取り替えている怪しい人間を見ても温かく見守ってください。もしも、色褪せているポスターや剥がれているポスターがありましたら駆けつけますのでお気軽にご連絡ください。 (お松)