第493号 福島原発内
福島第一原発から20km圏内は警戒区域に指定されているために許可がなければ立ち入ることはできません。原発収束を図るための最前線の基地はもちろん第一原発サイト内の免震重要棟でありますが、そのバックアップ基地が福島第二発電所になります。6/28には第二発電所内に安定化センターが設置され、東電の原発事故対応ベースキャンプとなる予定です。そしてその外縁、20km圏外のわずかなところにあるのがJビレッジです。ここでダーティーエリアとクリーンエリアを明確に区分し、放射線サーベイ、除染を行い放射性物質の域外流出を防いでいます。Jビレッジまではマスコミ含め入ることができますが、圏内入域は厳しく制限されています。特に第一原発サイトは、厳重な放射線防護が求められるため、厳格に制限されています。こうした状況で、ようやく中長期対策チームとしての一定の成果が確認できる状況となったため、入域となりました。
◆第二原発
「原子炉が安定停止している第二発電所も、発災当初は津波によって電源が落ち、極めて危険な状況になりました。しかし唯一残された一系統を駆使して4炉について冷却を行い、冷却停止することができました。」
Jビレッジからヘリカルマスクで入域後、第二発電所長からこのような説明を受け、当時の緊迫した状況を実感しました。第一のみならず第二までが冷却不能となっていたら、と背筋が凍る思いでした。第二へは防護マスクにゴム手袋の完全装備での入域です。
◆第一原発
免震重要棟へ直接入り、吉田所長と久しぶりの再会をしました。現場作業環境は二段ベッドや休憩所も設置され改善が図られていますが、一歩外に出れば高線量下にさらされる最前線基地でもありますから、緊張感で張りつめています。
作業にかかわる、東電、関係企業の方々はそんな中、黙々と作業に取り組んでおられます。我々も、作業を開始です。今回の最大のミッションは、地下水汚染を封じ込める地中30m深さの地中壁の境界確認です。高濃度汚染水と地下水が混ざり合い、海中に流れ出るのを止めるには、地下水が入らない、出ないようにサイト全域を囲むしかありません。ようやく施工方法や断面が決まりつつあります。高線量下、車を降りて確認をしながらさらには被ばく線量を図りつつ作業を進めました。そして2つ目の重要なミッションが4号機燃料プール補強の確認です。ここでは4号機建屋に入室し、がれきの中、作業の進捗と強度を確認しました。厳しい作業環境を実感しながら、封じ込めにより強い想いを抱きました。 (了)
スタッフ日記「サマータイムと早起きのコツ」
原子力発電所事故のため消費電力対策として、皆様の企業でもサマータイムの導入や、始業時間を早めているところもあるかと思います。日本では過去、太平洋戦争後サマータイムを導入するも、生活リズムの混乱、残業時間の増加等の労働条件の悪化などの問題が起こり、非常に不評で4年で廃止となりました。
根付かなかった理由の一つとして、各々の役割分担が決まっている自己完結型の欧米のスタイルでは、労働時間が明確であり、たとえ就労時間をスライドさせても大きな問題とはならないようですが、日本では、上司と部下などチーム一丸となって仕事を完成させるというやり方が主流であるため、サマータイムはうまくいかなかったようです。
しかし、始業時間の前倒しの導入が決定されると、早起きは避けて通れず、特に朝の苦手な方にとっては辛い問題かと思います。眠気は14~16時間経たないとやってこないので、朝遅くまで寝ていると夜に早寝ができないため、まずは朝早く起きるというのが重要になります。では、早起きの習慣を身につけるにはどうすればいいのかということですが、
② 朝起きたら太陽の光を浴び、体内時計をリセットする
②体のサイクルが狂う休日の「寝だめ」をしない
③朝食は決まった時間にとり、生活パターンを確立する
これらが早起きを継続させるコツだそうです。無理のない生活スタイルを作り上げ、朝型にすると何か良いことがあるかもしれませんね。(お松)