第477号 政治主導の軌跡2

2011年2月12日 (土) ─

◆見直し、歴史的な一歩
 この一年四か月を振り返り、政策的に丁寧にかつ時間をかけて取り組んできたものの一つが、「将来交通需要推計」と「事業評価」の見直しです。

 野党時代、道路国会でまさに国土交通省に切り込んでいく急先鋒として予算委員会で取り上げたのがこの「将来交通需要推計」と「事業評価」でした。

 国交省ではいわゆる、技官、技術の世界であるため、ある意味ブラックボックス化し、国会で取り上げられることなど全くと言っていいほどなかったテーマでもあります。

 2007年11月、当時予算委員だった私は次期通常国会に向けて「小泉政権の総決算」を行うべく、道路公団民営化検証を行っていました。その時に遭遇したのが「将来交通需要推計」でした。道路公団の民営化の是非を問うべく、資料の山に埋もれながら悪戦苦闘のさなかに「道路センサス」という見慣れない単語に出くわしました。

 すでに、耐震偽装問題で建築行政に関わった経験があるとはいえ、建築確認という単独の問題。しかし、その時は、まさに道路問題に端を発する公共事業全般に関わる課題に直面したのです。この瞬間こそが、その後国交行政に深く関わることになった起点だったと言っても過言ではありません。そして、極めて素朴に「人口減少社会にもかかわらず将来において交通量が増していく予測」に疑問を抱きました。
その後のことは、08年の道路国会において冬柴大臣を相手に「将来交通需要推計」の議論をテレビ入り予算委員会で行ったことでご存知の方もおられると思います。国交行政における、私のこだわりの原点の一つです。

 副大臣就任後、すぐにこの問題については取り組みを始めました。道路の将来交通需要推計がどのような考え方に基づくもなのかを調べ、そしてさらに空港や鉄道などのいわゆる運輸系の公共事業評価の根幹をなす交通需要推計が建設系(道路)のそれとは異なった考え方に基づいて行われていることの事実を把握しました。ブラックボックスをこじ開けた瞬間でした。

 すぐさま件の「訓令室」によって大臣官房に「交通需要推計室」を設置。検討を開始しました。ここでの要諦も、旧建・旧運の縦割りを残さないために人事ポストを室長のみとした点です。こうした目配りは、政治家自らが行わないと必ず骨抜きになっていきます。需要推計については、旧建設省モデルと旧運輸省モデルの統合形が構築されました。これは画期的なことであり、国土交通行政において歴史的な一歩だといえます。

 さらに、事業評価も徹底的な見直しを図りました。サイクルの短縮化、事業そのものの是非も検証対象とする計画段階評価の創設、B/Cだけに頼らない公共事業の評価の在り方として政策目標評価型事業評価の導入など、道路国会で指摘した懸案を処理していきました。最終の仕上げは、新たな需要推計に基づく新たな事業評価です。

 こうした取り組みにより、透明性、客観性、公平性をもってこれからの公共事業が進められることを願っています。 (了)

スタッフ日記「日々修行」
 インターンが始まり今回で3回目。まだまだ慣れない日々が続きますが、普段体験できなこの連続に感動しています。政治に関わらない生活をしていただけに、ここでの活動の全てが目新しく、楽しく過ごさせて頂いています。

 馬淵澄夫事務所でのインターンは政治の勉強云々の前に「人間塾」であると伺っていたのですが、働いてみてまさに「人間塾」だと感じました。身だしなみや礼儀など、普段指摘されないことまで馬淵事務所では注意してくださり、自分を見つめ直す毎日です。

 先日、国会見学をしたのですが、正面玄関に伊藤博文、大隈重信、板垣退助の3人の銅像があります。それぞれ隅に立っているのですが、残り1つが空いたままになっています。諸説あるようですが、3人に並ぶ偉大な政治家になれという思いを込めて、1つ空けてあるという夢のある話でした。

 夢違いですが、僕の好きな映画に渡辺謙が出演して話題になったインセプションという作品があります。主人公コブは、特殊な装置を使い他人と夢を共有し、アイディアを盗み取るスパイ。そんな彼に権力者のサイトーからある男へアイディアを植え付けるという前例のない仕事の依頼が届くという話です。夢に逃げたくもなるが現実世界を生きろということを観客に問いかける作品の様に感じました。雇用問題や財政赤字など、不安な世の中ですが、代議士のように筋を通して自分の道を進んでいきたいです。(ノリ)

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