第462号 仕分け第3弾

2010年10月30日 (土) ─

事業仕分け第3弾が始まりました。今回は18特別会計51勘定の事業の必要性と制度の見直しを検討します。政権交代以来、民主党は独立行政法人、公益法人などを対象に事業仕分けを展開してきましたが、「運転免許の更新時講習」などの個々の事業を対象としており、全体として「小ぶり」との印象もありました。しかし、今回はそれら事業の大本の制度である特別会計にいよいよ切り込むことになります。今年度の特会歳出総額は176兆円で、92兆円の一般会計に比べて2倍近くあり、格段に規模が大きいのです。この特別会計は、かつて「塩爺」こと塩川正十郎元財務大臣が、「母屋でおかゆをすすりながら、離れではすき焼きを喰っている」と揶揄されたことからムダづかいの温床として注目されました。家の表玄関がある「母屋」=「一般会計」では、財務省による予算査定を受けなければならず、また、国会の予算委員会で厳しく追及されるなどやりくりについて監視されてきた一方で、「離れ」=「特別会計」では国民から見えないところで放漫な支出を続けてきた実態が批判されました。

 国は、社会資本の整備、教育、社会保障など、様々な行政活動を行っており、その財源として税金や手数料、保険金などを集めています。これらは、一体として経理することが、財政の透明性、健全性のために望ましいとされ、単一の会計として「一般会計」があります。しかし国の活動が広範で複雑化してくると、受益と負担の関係や事業ごとの収支が不明確になるため、一般会計とは経理を別にする「特別会計」を設けています。1つの特別会計の中でも、区分経理する場合は、さらに「勘定」として区分しています。例えば労働保険特別会計は、労災保険を給付する「労災勘定」や失業手当などを給付する「雇用勘定」などに分かれ、財源は保険料に加え、一般会計からも繰り入れられています。これら国民が払った保険料などが「私のしごと館」や「スパウザ小田原」など、採算が見込めない施設建設へ支出されてきたのでした。今回の仕分けではネット上で若者に職業を紹介する「職業情報総合データベース」に廃止判定が下りました。実際にサイトに入るとプロ野球選手のページでは「野球の基本的なプレーは、ボールを打つ(打撃)、投げる(投球・送球)、捕る(捕球)、走る(走塁)こと」などと説明されています。必要性に疑問を感じざるを得ません。実はこの事業は、仕分け第2弾で廃止と判定されましたが、厚労省が概算要求で2900万円を盛り込んだもので、仕分け人からは「ゾンビのように事業が生き返ってきた」と批判されたようです。

 メディアでは1時間程度の仕分けで事業の存廃の判断を行うのは強引であるとか、パフォーマンスとの批判もあります。しかし、報道はされませんが、実は皆さまの目に見えないところで仕分け人が関係者からのヒアリングなど事前調査を入念に行っていることも確かです。仕分け結果と政府の判断との整合性をどうするかなどの課題もありますが、国民の前で特別会計の暗部に切り込む意義は小さくありません。(了)

 

スタッフ日記「はじめての国会ボランティア」

 大学を卒業し、アルバイトもせず日がな一日ペットのうさぎ(たま)と昼間からうつらうつらするという生活を送っていた私に、「これでは駄目だ」と祖父母が勧めてくれたのが馬淵事務所でのボランティアでした。お手伝いをさせて貰えることになり、私は仕事内容を学生インターン生と共に教えて頂くことになりました。インターン生たちは大学が夏休みの8月~9月を利用して馬淵事務所に来るのですが、私は9月からの参加ということで1ヶ月のブランクがありました。また、インターン生たちは名だたる大学から自主的に馬淵事務所を選んで来た若者であるため、私は心強さを感じる一方、この先1ヶ月経っても彼らの様に事務所のお手伝いができるようになるのだろうかと不安に思いました。実際1ヶ月経った今、新聞を見ても、1つの記事がどこまで続いているのかわからない時もあるし、内容も読み間違えたり、電話にも怖くて出られません。食器洗いではお皿は割らなくなりましたが、相変わらず失敗が多く事務所の方にも多々迷惑をかけています。それでも「まあ、ぼちぼち頑張ろう」と思える程に余裕の出てきたこの頃です。

 事務所でのボランティアは代議士国土交通大臣就任の時期と重なったこともあり、すごくエキサイティングな毎日です。さながら文化祭の様で、とても楽しく同時に大変でもあります。それは家でまったりしている時や、友達と遊びやお買い物に行くのでは味わえないものです。(なめたけし)

第462号 仕分け第3弾