氷川分館と石神井グランド

2006年11月10日 (金) ─

 日銀の保有資産についてもひとつ。

 日銀の保有資産の処分や有効活用は99年1月の方針決定により鋭意進められている。いわゆる豪華な支店長宅など槍玉に挙げられたものについて、自ら処分を進めているという。

 その中で、赤坂にある「氷川分館」という迎賓施設は処分対象にはならずに現在も維持運営されている。いわく、業務上機密を要する会合を行う施設だそうである。

 固定資産税評価額は76億円。週刊現代が報ずるところの時価は250億円。この施設の維持には建物修繕費、設備保守料、水道光熱費、警備関係費、公租公課などで年間約1億2千万円がかかっている。

 機密を要する会合とは何か?、機密を保持する施設の要件とは何か?、機密を保持する機能はどのようなものが備えられているのか?、など何一つまともな答弁は返ってこない。

 ホテルを利用しての会合などはないのか?、と問うと、あるとの答え。本当に、必要なのか?、氷川分館?。

 贅沢な施設を維持するがための抗弁にしか聞こえない。

 一方で、「処分します、都と交渉中です」と言っている石神井公園隣地の石神井グランドなどは実態として交渉などまったく進んでいないことが明らかになった。

 目黒区選出の民主党の若き都議会議員の伊藤ゆう議員にお願いしたところ、すぐさま都に要求していただき、手にした資料を見るとなんと、都のすべての公園用地取得予算は年間18億円。石神井グランドは固定資産税評価額だけでも58億円、報じられている時価は110億円にもなる。しかも公園事業認可すらされてもいない。

 さらに同公園内の事業認可済みで取得の必要な土地だけでもグランドの1.3倍もある。要は「交渉中でなかなか進まない」のではなく、進む要素がないということである。

 これで、頑張ってる!処分しようとしている!というのはアリバイ作りではないか?。一方で氷川分館は、なぜ機密上重要であり必要か、を明らかにしないまま処分対象から外す。国民感情からすると、呆れられるゾ!

 村上ファンドの件で、福井総裁は相当信用を失っている。そのことを、肝に銘じるべきではないのか。

 与党の理事が廊下で、「日銀は金持ちだねぇ!」と私にささやいてきたが、このように思われてしまうこと自体が問題なのだ。

 中央銀行の信頼を自ら損ねるようなことをしてはならない。

 氷川分館は、視察に行く。

氷川分館と石神井グランド