戦士(?)の休息
何かしら、気が抜けてしまったような状態で帰寧する。
新幹線から見える富士山はいっそうの雪化粧で、山頂付近の雪煙が舞い上がる様子が澄んだ空気の中でクッキリと見える。きっと、山頂はそれこそ吹雪の真っ只中なんだろうなぁ...。
下界はこんなにも穏やかなのに、山頂は嵐のごとき風雪。しかし、遠くから見えるさまはただ雪煙か雲か、としか見えず、美しいなぁなどと呑気に言っている。
国会の場面も実は、そんな風にしか見えていなかったのだろうか...。
ボーっ、とその様を見つめながらただただ、脱力感に襲われる。
必死と決死の思いで、突っ走ってきた1ヶ月。先月の24日に突然会館事務所に届いた2冊の「構造計算書」。あれから、まさにローラーコースター状態だった。何が何だかわけもわからず、しかし、何かに突き動かされるように突っ走ってきた。力の限界と向き合いながら、その壁を少しずつ満身の力を込めて押し込んできた。壁は少しずつそして確実に動いた。
しかし、ここまでが限界か...。
皆さんの励ましが、本当にありがたい。もう、熱いものがこみ上げるほどに、やさしく、そして力強い応援の言葉の数々。
自分に力があるなど、夢にも思っていない。ただ、本当に突き動かされてきたのである。それは、「国民の期待を一身に受けた」などと、大きなことを言うつもりはないが、間違いなくこの1ヶ月は、自分の肉体と魂は大きな力によって支配されてきた。
そして、また、小さなわが身に戻ってきたときに、言い知れぬ脱力感に襲われてしまっている。がんばらねばならない!、と鼓舞しても気力、体力ともに消耗しきってしまった。
とりあえず、奈良に帰る。大好きな、懐(ふところ)のように暖かい、故郷、奈良に。若草山が、大きく迎えてくれる、奈良に。そして、また、戦いへの英気を養おう。
戦士の休息のように。
そっと、静かに。