山のお母さん
2006年6月24日 (土) ─
県庁所在地の奈良市といっても旧市内の東部と新郊地の西部以外に、面積の半分以上を占める「山間」と呼ばれる地域がある。
奈良の人間はこの山間地を単純に「山」と呼ぶ。農家の「山」の人たちはあたたかい。
閉会後ということもあって、久しぶりに山を訊ねる。
久しぶりに会う山の支持者の皆さん。とりわけ「アンタは息子や」と言ってくださる「お母さん」は喜んで、手を握ったまま離さない。「お帰り!」と声をかけてくれる「お父さん」も健在だ。
ご飯食べぇやぁ、と山菜や新鮮な野菜や漬物などを振舞われる。ビールではなく、湯飲みにやかんで注ぐ、酒。
空気もうまい。人も温かい。野菜は土の香りがする。
あー、ここが故郷だ、とうれしさで一杯になる。
7年前、無名のまぶちなど誰も知らず、訊ねてもインターホンで「間に合ってます(!?)」と断られ会ってももらえない中、「町」での活動に疲れ、「山」に入った。訪れた山あいの家の縁側で、聞き入ってくれた老夫婦。
「アンタ、しんどいんやったらここで、ゆっくりしていき。」の言葉に甘えて、スイカをいただきながらうたた寝させてもらった。
何とも、心地よい風に心が洗われる思いがした。以来、団地育ちの私にとってこの山あいの地は、何か懐かしさを与えてくれる心の「故郷」となっていた。
今日も、「お母さん」は、「アンタ、忙しすぎる。チョット、一日ここで、ゴロゴロしとき。」とからだを気遣ってくれる。
休みを取れれば、一日はこの山あいで過ごそう、と心に決めた。
山のお母さん