健全な自主共済を救え!
先の通常国会に僕が筆頭提出者となって提出した、保険業法改正案は審議未了で廃案となった。
昨年4月施行の改正保険業法により、自主共済(いわゆる無認可共済と呼ばれていたもので根拠法のない共済とも呼ぶ)は保険業法の適用を受けるようになった。
来年三月末までの猶予期間をもって、保険会社か小額短期保険業者のいずれかに区分され、いずれでもないものが行っている「保険」は認められず解散する以外になくなる。
改正保険業法には適用除外としてJAや生協など他の法律に規定されている制度共済や企業、労組、学校などその組織が行う共済と小規模な共済(1000人以下)が上げられているが、実はこの適用除外から外れる自主共済が大変多い。たとえばPTA団体の運営する児童や生徒の安全互助会や知的障害者の入院互助会、山岳団体の遭難対策基金などがある。
平成16年の総務省の調査によると任意団体による共済は全国で422団体を把握しており加入者数は273万人にも上る。これらが改正保険業法の適用により特定保険業者として金融庁に届け出が規定されたのだが、その数は389共済であった。そして、これらの4割が廃業の方針を明らかにしている。つまり、改正保険業法の下では相互扶助的な福祉増進目的の自主共済は立ち行かなくなったのである。
そもそも自主共済を保険業法で定めて金融庁の監督下に置くという立法趣旨は、オレンジ共済をはじめとするマルチ商法的な悪徳業者を排除することにあった。しかし、その法改正によって共済という相互扶助の理念に基づく制度まで排除されてしまった。何とか救済措置がとれないかということで取り組んできたのが、適用除外項目への追記である。
議員立法の保険業法改正案は、福祉増進目的で非営利の自主共済を適用除外とするために内閣総理大臣認可による団体を加えるという非常にシンプルなものである。その際に、保険の規模を小額短期(保険期間2年、一千万円)に限定せざるを得なかったのだが、とりあえずそれでも救済される共済は多い。
臨時国会では、参院からの提出となるので再度参院法制局とも議論を行わねばならない。提出者として、大久保勉参議院議員にお願いした。大久保さんとは同じビジネス界出身ということで、これまでも一緒に勉強会などを行ってきた間柄なので気心が知れている。全幅の信頼をもって、お任せできる。
まだ、すべての共済事業を救済できていない案ではあるが、突破口として国会で通していただきたいと願っている。
そして、本来の趣旨である「健全な共済」の適用除外を実現したい。