第1187号 戦後80年の誓い
今回は、戦後80年を迎えるにあたり、改めて、戦争によって尊い命を落とされた多くの方々に哀悼の誠をささげるとともに、先の大戦についての認識と、平和への希求として、太古よりこの国に流れ続けている共生の価値観について私の考えを述べたいと思います。
◆なぜ戦争に至ったか
先の戦争、そして敗戦に至る経緯については、明治維新以降の社会構造、いわゆる「明治レジーム(体制)」に注目しなければなりません。明治維新は既存秩序を一掃したいわば「革命」であり、日本史上かつてない強力な中央集権国家を成立させました。それによって効率的な近代化が可能になった一方、国内で異なった立場の政治勢力が牽制しあいながらも共存する土壌が失われてしまい、それが後の戦争の遠因になったと私は考えます。
明治維新後、一定期間は国力の限界を冷静に捉えた外交政策が採られました。しかし、日清・日露戦争、第一次大戦での勝利という「成功体験」を経て、一部の軍人や政治家に憲法を軽視し、国力を過信して覇権主義的な外交防衛政策を強引に推し進めようという勢力が台頭し、その暴走を誰も止めることができず、結果、中国やアメリカとの無謀な戦争に突入していきました。
強力な中央集権思想の下に、国内に当時の政治状況をただす健全な批判勢力が育たず、暴走を止められる土壌がなかったこと、冷静に国際情勢を見据えた合理的かつ覇権主義を押しとどめる抑制的なリアリズム外交を放棄してしまったこと、つまり、内政及び外交両面においての「統治のバランス」が失われたことこそ、国内における先の戦争と敗戦の本質であると私は考えるのです。
◆古来からの共生の価値観
わが国には、古来、「天つ神」と「国つ神」という2つの神への信仰がありました。天つ神は中央集権的な秩序を体現する神々であり、国つ神は地方分権的な活力を体現する神々です。
この2種類の「神」を崇拝してきた事実から、わが国の精神性には、多文化共生の理念が深く根付いてきた経緯があります。天つ神と国つ神への崇拝に示される中央集権的な秩序と地方分権的な活力を併存させ、そのバランスを保つことで、我が国はこれまで歴史の断絶を免れ、統一と多様性を失うことなく、大きな発展をとげることに成功しました。
つまり、「敵対」ではなく「共生」の価値観によって、長く実り豊かな歴史を紡いできたのです。この価値を今こそ私たち自身が深く認識し、大切にするべき時であると思います。
◆平和への誓い
昨今の国際情勢や、国内の政治状況を見ても、国際国内いずれの社会においても対立や分断が著しく進んでいます。こうした混沌(カオス)の中で、相手を味方と敵に峻別し、自ら異質と考えたものを排除し暴走していく社会が到来しかねないことに、私は危うさを感じています。
わが国の政治に、中央と地方が自立して牽制しあう統治体制、多様で異なる各政治的立場が健全かつ真剣に論を交わす政治状況、冷静に国際情勢を見据えた合理的かつ抑制的なリアリズム外交といった、内政外政両面での「統治のバランス」を確立し、他者を敵として排除しない共生型の社会を目指す。
そして、政治権力が牽制しあい共存する土壌を維持、発展させ、内に向かっては国民の分断を解消し、外に向かっては冷静で対立を煽らない外交を展開することで、一人一人の国民のための、平和で豊かな社会を実現する。
その実現のために私の政治生命の全てを賭けていきたいと思います。戦後80年、その決意を胸に、改めて国政での取り組みを進めて参る所存です。
スタッフ日記「インターン生大募集!」
政治に関心のある若者の皆さんへ。このたび、まぶちすみお事務所では、夏休み期間にインターン生として活動してくれる学生・若者を募集します!
今現在、高校生から大学生まで3名が一緒に活動しています。「政治は遠い世界の話」「自分には関係ない」と思っていませんか。でも実際、私たちの暮らしや未来に直結するのが政治です。物価の上昇、教育の課題、地域のインフラ、災害対策など、その一つひとつに政治の判断が影響しています。だからこそ、未来を担う若い世代にこそ、政治の現場を知ってほしいです。
今回のインターンは奈良の地元事務所での活動が中心です。地域の声を聞き、課題を調べ、政策づくりのヒントを探る。街頭での活動や後援会拡大強化のサポート、SNS発信の手伝いなど、多様な仕事を通じて、政治がどのように地域とつながっているかを実感できます。
議員本人やスタッフとの距離も近く、気軽に質問したり、進路や悩みについて語り合ったりする場面もあります。「政治って意外と身近だな」「自分にもできることがあるかもしれない」、とそんな気づきえを得てもらえれば嬉しいです。
まぶちすみおと共に、奈良から日本の未来を考えてみませんか!ほんの少しのきっかけで、自分の将来や、これからの生活を変える力になるかもしれません。ご応募を心からお待ちしています。 (テン)