第1183号 通常国会閉会、参院選へ
通常国会は20日に事実上の会期末を迎えました。衆院解散総選挙は実施されず、各党は7月20日投開票の参院選に向けて走り出します。
◆通常国会の成果
今国会は、衆院で与野党が逆転する中、野党の政策提案の重要性が増した国会でした。私自身、内閣委員会、国土交通委員会、決算行政監視委員会、政治改革特別委員会の4つの委員会に所属し、国会質疑は、自由討議も含め計11回に及びました。
質疑内容も、政府の3万円給付事業の遅れと給付の迅速化・デジタル化への提案を皮切りに、仮装身分捜査、災害時の道路啓開、サイバー防御、AI、マンション、選挙とSNS、下水道老朽化と多岐にわたり、それぞれで問題点を指摘するとともに対案もしっかりと主張しました。
さらに、党務では、「次の内閣」経済財政担当大臣として、物価高対策、特に消費税の扱いについて党の公約取りまとめに奔走しました。
結果、食料品消費税ゼロ%など、党の骨格となる経済政策を公約としてまとめることが出来たのは、大きな成果だと考えています。
そして、皇族数の確保問題では、全党全会派が参加する全体
会議に4回全て出席し、立憲民主党としての独自の立場を明確に述べました。その後、自民と立民の話し合いでは、女性皇族が婚姻後も皇族として残るところまではいったん合意しましたが、官僚の介入と自民の頑なな姿勢で合意は覆され、結局先送りとなってしまったことは残念です。これは国家の根幹にかかわる問題でもあり、国会が再開され次第、なんとか合意を成立させるべく、引き続き取り組んで参ります。
また、党の若手議員を対象とした、国土交通と経済産業政策全般にわたる勉強会も計10回開催しました。自らの主張を述べることも大事ですが、まず、現状、政府と官庁はどのような政策を進めているのかを正確に把握する必要があるため企画した有益な勉強会でした。
◆新しい国会の景色
衆院での与野党逆転は、国会の景色を一変させました。党としては、かねてより主張してきた基礎年金の充実について与党側と合意が成立したこと等、野党が政策実現に深く関与することが可能になりました。また、憲政史上初めて衆院の常任委員会委員長(与党)が解任されるなど、野党がまとまれば少数派である与党に好き勝手はさせない
という強い姿勢を示すこともできました。
一方、衆院解散の引き鉄ともなりかねない内閣不信任案提出は見送られました。民意は目前に迫った参院選で問えば十分であり、国政をむやみに混乱させかねない不信任案を提出しなかったことは当然の判断だと思います。
◆持ち越された課題
残念ながら抜本的改革には踏み出せず、持ち越しとなった課題も多く存在します。特に、自民党の本質にかかわる部分について、なかなか岩盤は突破できません。
例えば、裏金問題に関し、自民党の主要な資金源である企業団体献金の扱いをどうするかについては、結論は先送りされました。また、選択的夫婦別姓制度の導入についても、保守派に忖度したのか、石破総理が総理就任前の言動を翻して消極的姿勢を取り、立民らが提出した法案は採決されませんでした。消費税減税やガソリン暫定税率廃止のような、財務省が難色を示す減税も手付かずです。
参院選後は、また国会の空気が変わるでしょう。岩盤を打ち破り、真の改革を実現するために、まずは夏の戦いにフルスロットルです。