第1153号 議論ができる国会になる
11日、第2次石破内閣が発足しました。11月下旬には臨時国会が招集見込みで、いよいよ新しい与野党勢力の下での論戦が始まります。
◆野党の委員長が増えた
今度の臨時国会では、野党の議席数の増加に伴い、衆院の27委員会中、12委員会で野党議員が委員長を務めます。
委員長を取る、ということは単に議事進行の権利が与えられるだけではありません。
これまでは、与党が数の力に任せて、自分たちに都合の悪いことや肝心な部分を大臣に答弁させなかったり、不十分な審議のままに強行採決を行うような不適切な委員会運営が多く見られましたが、野党議員が委員長を務める委員会ではそうした横暴は許されません。
これにより与野党拮抗した、国民の声を反映できる、緊張感のある委員会審議ができるものと期待しています。
特に、物価高対策を議論する予算委員会や、選択的夫婦別姓などを議論する法務委員会等が注目されています。
私自身は、内閣・国土交通・決算行政監視・政治改革の4委員会に配属されました。どれも重要な委員会ですが、特に経済財政政策を所管する内閣と、先の総選挙で最大の争点であった「政治とカネ」問題に対する改革案を議論する政治改革は、大きな注目を集める委員会であり、激論が予想されます。
◆経済と政治改革に重点
内閣委員会では、税金の103万円の壁、社会保険の130万円の壁をどうするのか、生活苦が続く中、低所得世帯への給付金を配るべきかといった緊急的な問題があります。
そして、そもそも石破内閣が考える日本経済のあり方はどういうものなのか、弱肉強食の「新自由主義」を目指すのか、岸田総理が掲げ失敗に終わった「新しい資本主義」と何が違うのか、といった本質的な課題を質疑を通してえぐり出し、対案を堂々と提案していきます。
また、選挙結果を受けて、もはや逃げられぬと考えたのか、使途が不明となってきた政策活動費の廃止を政府が検討すると報じられており、政治の浄化が大きく進展する可能性があります。
ここは安易な妥協や骨抜き改革にならないように、政治改革委員会において厳しく改革案を質し、実現していきたいと考えています。
◆党内活動・勉強会も
党内では、「次の内閣」経済財政担当大臣として現在議論を重ね、実現に向け取り組んでいます。
例えば、現在話題の「103万円問題」などの緊急的な経済政策については、働き控えを生むのは103万円の壁ではなく、むしろ社会保険料を負担しなければならなくなる「130万円の壁」であるとして、給付措置でその壁の不公平さを解消する法案を提出しました。また、迅速かつ確実に困っている方々を把握し、給付を行えるシステム構築の議論も進めています。
そしてこのほかにも、与野党攻勢の変化で、私が長年取り組んできた安定的な皇位継承問題は議論の仕切り直しが予想されます。
それから、奈良にお住まいの皆さんの喫緊の課題、地域公共交通の立て直しについては、超党派で取り組んできたライドシェア勉強会で一定の結論を提案したいと考えています。
議席が大幅に増加したことで、野党の立場でも各委員会や議員立法の提案を通じて、政策実現に大きな影響力を持つことが出来ることになったのは大きな前進です。国会活動量は大幅に増加しますが、むしろこれは嬉しい悲鳴です。
今は地道に政策を提案し、実現していくことで、「次の内閣」実現への道が開けると考えています。
スタッフ日記「11月なのに」
11月7日朝、甲府気象台が富士山の初冠雪を発表しました。
平年よりも1か月以上遅いだけではなく、130年前に統計を取り始めて以来、最も遅い記録だそうです。
先月の富士山の山頂付近の平均気温も1~6度と例年より3度ほど高いと聞くと、今年の夏、そして今までがいかに異常であったかと思い知らされます。
また、同じ日に東京と近畿で木枯らし1号が吹いたとの発表もありました。
木枯らしは、晩秋から初冬にかけて吹く北よりの強い風のことで冬の訪れを告げる気象用語です。
2つの発表を聞き、今年も秋を感じることなく冬に突き進んでいくのかなと感じると同時に、ようやく暑い、暑い夏が終わったんだと感じました。
しかしその後も30℃前後の暑い日が観測されるなど秋どころか季節が逆戻りしたかのように感じられます。秋は秋らしい気候で各地の紅葉が楽しめ、食欲の秋を満喫できるシーズンであってほしいと思います。
でも、悪いことばかりではありません。
朝晩の気温の低下と昼の温かい気温のせいで珍しく松茸の収穫が長期間にわたり豊作だというのです。
高値で私たちには手の届かない話ですが、子供のころ、お百姓さんが竹籠をかついで、近くの八百屋さんに売りに来て、残ったものを父が買い取っていました。
その夜は決まって松茸がどっさり入ったすき焼きだったなあと子供のころの楽しかった記憶を思い出しました。
まだまだ昼夜の温度差が大きい日が続くようです。お体に気を付けてお過ごしください。(スギ)