第1151号 衆院選、何が起きたのか
自公が過半数を大きく割り込み、与野党勢力が拮抗する中、11月11日と想定される特別国会を前に、各党の駆け引きが活発化しています。今回は総選挙で何が起こったのか分析してみます。
◆各党の比例得票は
総務省の速報から各党が獲得した比例票を分析すると、自民党は前回から533万票減の1458万票でマイナス26.8%。公明党は114万票減の596万票でマイナス16.2%で、両党とも1996年の衆院比例制導入以降では過去最少の得票数にとどまりました。
立民は全体の議席数では躍進しましたが、比例代表は1156万票で前回から7万票上積みしただけでプラス0.6%。全体では50議席伸ばしたものの、比例では5議席増にとどまりました。
維新は前回から失速し、510万票とマイナス36.6%。国民民主党は大きく伸ばし、前回の259万票から617万票へとプラス138%。れいわ新選組も、プラス36.6%の510万票と躍進しました。
結果として、比例票は自民・公明・維新の一部の票が国民民主・れいわ・参政・保守などに分散して流れ、それぞれが一定の議席を獲得、少数政党では当選が困難な小選挙区で、自民が票を減らし、相対的に立民が浮上した、というのが今回の選挙の総括です。
◆奈良1区分析
奈良1区の傾向を見てみます。私は総計90,323票のうち、奈良市で68,794票、生駒市で21,529票を得て、いずれも他候補全員を上回り、完全勝利を果たすことができました。
比例票では、奈良県第1区の奈良市部分で、自民が38,480票、立民が34,812.520票、維新が31,146票、生駒市では維新が13,538票、自民が13,532票、立民が11,404.017票となりました。
全国的に比例票を減らした自民と維新ですが、奈良1区においては自民が最も多くの票を獲得し、立民と維新がほぼ互角の結果となり、党として根強い支持を感じました。
また、近畿地区全体を見ても小選挙区で勝利した立民候補は5人にとどまり、維新の21人、自民の14人に大差をつけられています。
東日本各地で互角以上の戦いをしている以上、今後の立民の政権奪取計画において、近畿での底上げは非常に重要な意味を持ちます。
◆新しい時代の選挙へ
今回は選挙戦を通じて、今までの常識は通用せず、選挙が大きく変わりつつあることを強く感じました。
一般的に投票率が低いと自民党や公明党など、組織票が多い政党が有利と言われてきましたが、戦後3番目の投票率の低さとなった今回は、両党とも大きく議席を減らしました。自民党などに毎回投票していた固定層が、今回は投票に行かなかったことが原因ではないかと見られます。
また、少数政党がSNSを通じ若い世代の爆発的な支持を集め、急速に支持を集め台風の目となる傾向がはっきりした選挙だったと思います。
私は今回、選挙運動の柱として、毎日動画をライブで配信し、積極的にブログを更新するなどSNSを重視しました。
結果、Google検索では、私の記事が上位10位中6本を占めるなど激増し、若者たちへのリーチが増えたという手ごたえがありました。
旧態依然とした選挙を続けているだけでは、もはや若い世代から見向きもされないということを実感しました。
また、「まちかどトークライブ」では有権者の皆さまとの直接対話で多くの争点を見いだすこともできました。
新しい時代に合わせた政治活動が党の浮沈の命運を担う!というのが、今回の選挙の総括でありました。
スタッフ日記「公選法上禁じられておりますので…」
このたびの衆院選では、たくさんの方のお力添えを頂戴し、無事当選することができました。公選法上、お礼を述べることはできませんが、皆さまからのご期待を胸に、今後も邁進して参ります。
ずいぶん遠回しな言い回しですが、そうなんです。公選法上、選挙の結果に対して紙面や口頭でお礼を述べることは禁じられているのです。
普通の感覚からいうと「ありがとう」ではないのかしら?と思われる方は多いと思いますし、私たちもそういう部分でお叱りを頂戴することもあるのですが、「公選法上禁止」されてしまっているため、このような奇妙な言い方になってしまいます。
ところが、さらに奇妙なことにネット上ならお礼の言葉がOKになります。何でそんな珍妙なことが起きているのかは今度調べておきますが、こういうヘンな状態は他にも散見されます。
例えば、投票依頼に関して。
電子メールや携帯電話のショートメールには「ほぼムリ」と言ってよいほど厳しい条件が課されますが、LINEやFacebookのメッセンジャーでは何を伝えてもOKです。
総務省に確認したところ、要は通信方法の違いで、LINEやFacebookはホームページと同じ扱いになるため、電子メールのような厳しい制限が掛けられない、という事なのだそうですが、有権者の皆さんは、メールもLINEも同じようにお使いだと思いますので、理解に苦しむのではないでしょうか?
ネットについては公選法が追いついておらず、増築を繰り返した家、のようなおかしな部分がたくさんあります。
変わらなきゃいけないですよね。(シズ)