6月から電力に対する政府補助金が廃止され、関西電力では前年から4割を超える大幅値上げとなるのに加え、乳製品やお菓子など日常的な食料品も値上げが相次ぎ、実質賃金は25か月連続低下中です。

　岸田総理が言う「物価高を上回る賃上げ」は果たされておらず、生活が苦しい状況は続きます。

◆医療費も値上げ
　値上げが相次ぐ中、6月からは医療費負担も上がりました。

　初診料、再診料が値上がりするのに加え、その他加算分も含めると、初診時に支払う額は、30～730円増、再診時は20～120円増になる計算です。

　その上、入院患者の基本料や食費も引き上げられるため、医療負担も重く生活にのしかかってきます。

　もちろん医療現場で働く方々の賃金を確保するために、一定程度の負担引き上げはやむを得ない面もありますが、問題は医療現場、患者の方々それぞれが苦しい中、政府がちぐはぐな医療政策を続けていることです。

◆利用率たったの6%
　その代表がマイナ保険証です。

　一時期のように騒がれませんが、4月にもマイナンバーと健康保険証のひも付けミスが新たに545件見つかったと厚生労働省が明らかにし、誤登録は累計9240件にも及んでいます。

　このようなずさんなシステムに国民の信頼が高まらないのは当然のことで、マイナ保険証の医療機関での利用率は4月段階でわずか6.56%にとどまっています。これはほとんど使われていない状態と言っても過言ではありません。

　その上国家公務員とその家族の利用率も5%台と、政策を進めるべき公務員でさえ、制度を信頼していない状況が読み取れます。

　12月に従来の保険証廃止が強行されますが、経過措置が想定されるとはいえ、混乱は間違いないでしょう。

　このような状況を招いたのは政府の失政であるにもかかわらず、河野太郎デジタル大臣は、自民党議員に対し、マイナ保険証が利用できない医療機関の通報を支援者に呼びかけるよう促す文書を配っていたことが判明しました。これではまるで利用率が上がらないのは医療現場の責任と言わんばかりの傲慢な姿勢です。

　その上、マイナ保険証をスマホ搭載しようという案が持ち上がるなど、およそ現場の混乱への想像力が無いとしか言いようがありません。

◆現場に負担を押し付け
　もともとマイナンバーカードの取得は任意のはずでしたが、保険証との一体化は事実上の取得強制です。

　そして、政府からは、なぜ従来の保険証を廃止してまでマイナンバーカードと一体化したマイナ保険証に切り替えなければならないのかという本質的な説明が、今までなされていません。

　マイナ保険証自体、利用が低迷していたマイナンバーカードを無理矢理普及させるために、強引に従来の保険証を廃止して一体化しようとしていると疑われても仕方がなく、政府の失政のツケを国民が払わされているに過ぎないのです。

　そして、医療情報は非常に重大な個人情報です。諸外国でも扱いは慎重で、台湾でも、医療カード等を個人情報カードに統合することに国民から懸念の声があがり、計画がいったん止まりました。

　まずは、12月の強制的な移行は中止し、真摯に医療現場と国民の声に従って、新たな制度設計を行うべきです。

 

スタッフ日記「詐欺の電話がかかってきた！」

　先日、NTTコミュニケーションズ（株）を名乗るところから電話がかかってきて「未払い料金があります」と言い、本人確認のために名前と生年月日を教えるよう求められました。

　でも、未払い料金は大概、郵便で通知が来ますし、掛けてきたくせに名前も知らないというのもおかしな話だなと思い、名前を伝える前に「郵送で通知を送ってくれないか？」と聞くと「対応する気がないのですね？」と何やらかみ合わない返事。

　同じやり取りを何度か繰り返し、あまりに話が通じないことにイライラして「上司に代わってくれないか」と言うと「お前のようなクソババアにそんな事をしてやる必要はない」などと答える始末です。

　NTTのちゃんとしたオペレーターがそんなことを言うはずはありません。「こっちは電話を録音してるからな！」など相手は終始強気でしたが、どうしようもないので電話を切りました。

　すぐにネットを調べると、こうした詐欺が流行っているようで、NTTコミュニケーションズも注意喚起をしています。

　警察でもYouTubeで実際の音声を流すなどして周知をしていましたが、聞いて驚きました。契約をしていないと言っても「それはあなたの思い込みです」と答えるなど常に犯人が強気なのです。そんな風に言われたら気の弱い人は払ってしまうかもしれません。

　また「名前と生年月日はわかったので名簿に載せます。ありがとうございまーす」と捨て台詞を放つ音声もあり、先ほど名前を答えなかった自分を盛大に称えたい気持ちになりました。

　皆さまもどうかお気をつけください！（シズ）