第1126号 支援金という名の負担増

2024年4月27日 (土) ─

 岸田総理が、国民の実質的な負担は生じないとうそぶいていた子育て支援の財源ですが、結局、大幅な国民負担増加が避けられないことが明らかになりました。

◆消費税0.5%分の負担増か
 負担増加額は収入によって異なりますが、当初月500円程度と言われていた負担はさらに増え、おおむね年収600万円程度で月1000円程度医療保険料に上乗せされて徴収されると見込まれています。これは消費税に換算すると世帯によっては0.5%アップにも匹敵する負担増となります。また、なぜ医療保険料に上乗せされるのか自体も明確ではありません。

 労働者の実質賃金低下は23か月連続にまで達し、円安進行で日常の食料品の大幅な値上げが繰り返される中、ふところは寂しくなる一方です。実質的な負担は生じないなどと言っても出鱈目に過ぎず、これでは景気も少子化も回復するはずがありません。

◆ステルス増税が本格化
 総理は大々的に6月予定の一回限りの所得税等減税を誇っていますが、それと引き換えに事実上の増税が恒久的に続いていくのならば、結局庶民のふところにとっては大幅マイナスです。 そして、そもそも国民の負担を増やしてまで子育て世帯に支援を行うことに理解が得られるのかという疑問があります。

 現に、報道による調査によると、今回の子育て支援策には反対の意見が多数を占めています。中間層が崩壊する中で、広く薄く集めて特定の世帯に支援するという手法が、もはや国民の支持を集めることができなくなっていると感じます。

 さらに問題なのは、こうしたあの手この手の実質増税が今後も繰り返されるであろうことです。真正面から増税の必要性を説いて国民に信を問うというのならまだ理解できますが、国民を騙し打ちにする形の巧妙なステルス(隠れ)増税が繰り返され、選挙の争点にも上がらなくなったら、国民の税に対するグリップが利かなくなり、取られ放題になってしまうのです。

◆負担増は不要
 当然、立憲民主党としてもこのような騙し討ちのような負担増に賛成するわけにはいきません。国民生活をかえって貧しくする「支援金負担増」は、廃止が相当として反対しています。

 子育て支援を丸っきり放っておいて良いというわけではありません。ですが、その前提として今までの支援策の有効性を検証しなければなりませんし、財源を考える上では、取る前にまず、無駄を削ることが優先です。

 例えば、国は長期的な事業のために基金を積み立てていますが、使われず眠ったままの基金を含めて16兆6000億円まで残高が膨らんでいます。政府は先日、使う見込みのない分の5466億円を国庫に返納させると発表しましたが、無駄を精査すればまだまだ出てくるはずです。

 また、官庁が新しい法案を作る際には、何をやっているのかよく分からない公益財団法人等が事業の仲立ちを行う仕組みとすることが散見されますが、その法人の実態を調べると役人の天下りの温床となっていることもままあります。不要な制度や団体に公金が使われる長年の慣行も、政権交代を果たして見直すことが必要です。

 このように智恵を絞れば、国民負担増を伴わない財源確保も可能なのです。「社会保障費用が増えるから増税や保険料負担増もしょうがない」などという思考停止を続けていては、喜ぶのは財務省だけですし、景気も少子化もいつまで経っても改善しません。裏金議員へのいい加減な処分もそうですが、国民は政府与党に「舐められている」ということに、怒るべきです。まずは、「支援金負担増」は廃止。これが第一歩です。

 

スタッフ日記「やっぱり阪神タイガース」

 本日(4月22日)の新聞で、阪神タイガース6連勝、首位浮上というニュースが出ました。

 昨年のリーグ優勝、日本シリーズ制覇の強さを見ていると、これから数年はタイガースの天下だと思っていました。

 ですが今年のリーグ戦が始まると、全く打てないチームに変身してしまっていました。 1試合に2点取るのが精一杯の打線。10試合も続けて2点以下の得点という球団ワースト記録を打ち立てる始末。投手陣の頑張りでなんとか持ちこたえていましたが、あの強いタイガースは何処へ行ってしまったのかと嘆きながら、サブチャンネルから始まるテレビ中継にかじりついていました。

 しかし、ついにその時がやってきました。甲子園球場でジャイアンツに引き分けのあと2連勝、首位中日に3連勝で、ようやくタイガースの定位置、「セリーグ首位」に戻ってきました。

 1割台の打率しか無かったクリーンナップの佐藤(輝)、大山、森下、にホームランやタイムリーヒットが出だし、調子のよい投手陣との連携も取れるようになってきました。 チームの様子を見ていると昨年同様、ゴールデンウイークからの5月戦線は負け無しの連勝街道が始まります。断言します。「アレンパ」を成し遂げ、秋にはまたうまい酒が飲めると。

 今年の7月にはパリオリンピックが開催され、引き続きパラリンピックも開催されます。オリ、パラで一喜一憂しているうちに、8月には我がタイガースが早くも2年連続リーグ優勝を決めているでしょう。(スギ)

第1126号 支援金という名の負担増