第1125号 現実路線の共同親権
16日、父母双方が離婚後も子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を盛り込んだ民法改正案が衆議院で可決されました。今国会中に参議院でも可決され、成立する見通しです。
◆親の権利と責任、子の利益
現在の民法では、両親が離婚した場合、子どもの親権はどちらか一方の親が有することになっていますが、改正法は、単独で親権を持つか、両親が共同で親権を持つかを協議によって定めることができるとしています。協議がまとまらない場合は家庭裁判所が判断します。
共同親権の導入については、一人ひとりの価値観や家族観にも絡む問題であり、賛成・反対様々な意見が寄せられています。
親である以上、離婚しても子どもの養育には権利と同時に責任を持つ必要があり、共同親権の導入は望ましいとするのが賛成派の意見です。
一方、DV等から逃れるために離婚を選択するケース等もあるため、共同親権を認めると、子どもに対するDVや虐待を防げないという不安の声も反対派からは多く聞かれ、どちらの主張にも十分な説得力を感じます。
私は、この問題に対して必要なのは子どもの権利と利益をどう保護するか、という視点だと考えています。両親の都合による離婚によって、子どもの権利や利益を侵害してしまうことがあってはいけません。
そして、子どもの親である以上、たとえ離婚したとしても子どもの成長に対しては責任を果たすべきであり、その点で共同親権導入に意義があると考えますが、一方でDVが絡む事例などに対処するため、子どもを保護するための制度的手当てが必要と考えています。
◆苦渋の修正案賛成
党としても様々な立場の団体や有識者等からヒアリングを重ねて慎重に検討を進めたところ、政府提出の法案は、不安を感じる皆さまの声に十分配慮できていないものであると判断し、修正を求めて与野党間で交渉しました。
その結果、修正合意がまとまりましたが、要求内容については部分的に取り入れられるに留まり、十分とは言えません。
しかしここで全面的に反対してしまえば、共同親権を一方的に推し進める政府案が数の論理でそのまま通ってしまいます。
それよりは、不安の声に配慮した我々の要求内容をある程度反映させた修正法とすることが必要と考え、苦渋の決断ではありますが、修正法案に賛成することを決めました。
特に共同親権の同意が父母双方の真意であるかを確認する措置を明記できたことは大きな成果と考えています。
そして、必要に応じて法改正を含む更なる制度の見直しを行うことも附帯決議に盛り込まれました。
法案は2026年までに施行される見込みですが、施行後も、継続的に運用を監視し続け、問題点を指摘しなければならないと考えています。
◆残る離婚と子どもの課題
離婚と子どもの問題については、共同親権以外にも解決しなければならない問題が残っています。
例えば養育費については、受け取っているひとり親はおよそ2~3割程度にとどまるとの調査結果もあります。共同親権を導入することでどのような変化が現れるかを見極めながら、さらに子供の権利を保護するための立法や運用上の対策を適宜実施していかなければなりません。
子ども政策は子育て世帯への金銭的支援と国民負担の増加ばかりが問題となっていますが、私は権利の保護ということが、子ども政策の中心的議題とされるべきだと考えます。それが、子どもが育ちやすい社会を作ること、ひいては少子化対策にもつながっていくと思います。
スタッフ日記「桜吹雪」
休日に久しぶりに歩いて秋篠寺から平城旧跡・法華寺・佐保川の桜並木を通り、大仏鉄道の記念碑にあるしだれ桜まで行きました。
花はほぼ散ってはいましたが風に舞う桜の花びらは美しく、それはそれで季節を感じることが出来ました。
散歩中、出会ったご近所さんにコンビニで買った缶ビールを手渡され、時期外れの花見に誘われました。
ベンチに座って喋っていると、どこからか知り合いが現れ、いつの間にか気がつけば8人で宴会状態になりました。 花見酒というよりは「葉見酒」という感じでしたが、若い緑の葉もまたきれいで、味のあるいい雰囲気でした。
花見の歴史について話題がおよび、ご近所の方から、奈良時代の貴族が始めたらしいで、と教えてもらいました。
初めは中国からきた梅の花を見ていたものの、その後、田んぼの神様をもてなそうと農民たちが豊作を願って桜の下で宴会をしたのが今の花見の始まりと思うで、ということでした。
まあいずれにしても1000年以上前から日本人は花見をしていたようです。
偶然のプチ宴会も終わり、もう少し歩こうと皆で奈良町まで行くことになりました。
商店街を抜けると猿沢池の周辺で人が大勢集まっていました。何だろう?と近づくとラッキーなことに興福寺の放生会が行われていました。殺生を戒める仏教の教えに基づき、捕えた生き物を放して供養する行事です。
ウン十年前、近所の小学校に通っていた時に校外学習で参加したなあ、と懐かしいひと時を過ごせました。
よい春の1日でした。(ブースカ)